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 性交の音と、俺が自分のペニスを扱く音。  その二つが混ざって、もう……なにが何だか、分からない。 「そんな、締めつけてくんなよ……ッ! っつゥか、処女のクセに感じすぎだろ……ッ」 「ふあ、っ! ま、また、奥ばっかり……っ! んっ、んぅっ!」 「ハッ! メチャクチャ気持ちよさそうじゃねェの? 手、すげェ動いてるぜ?」 「みっ、見るな、ばかぁ……っ! んぁ、っ! そっ、そこはっ、やだぁ、っ!」  高遠原が奥を突くと、ペニスを扱きたくてたまらない。  うつ伏せのまま、何度も何度も高遠原に穿たれる。 「勘違い、するなよ、っ! 俺は、かっ、感じてなんか――」 「ペニス扱いてその言い訳はナシだろ? ……なァッ!」 「ひぁっ、あぁっ! こ、これ以上っ、激しくするなぁっ!」  ベッドが、ギシギシと軋む。  それだけで、行為の激しさを生々しく伝えてきた。  頭の中がグチャグチャになってしまっても、一つだけハッキリとわかる。 「真冬……ッ! そろそろ、出すぞ……ッ」 「んぁ、あぁ、っ! いやだ、いやぁ、っ! 抜いて、抜けよっ、あっ、んぁあっ!」  ――もう、お互いに限界なんだってことが。 「ぃ、あっ、あぁっ! もっ、むりぃ……っ! でる、でるぅ……っ! あっ、ふぁ、ああぁっ!」 「く……ッ!」  俺がベッドに体を押しつけると同時に。  高遠原の熱いモノが、奥へと打ちつけられる。 「あぁ、あ、っ!」  手のひらが、汚れていく感覚。  それと、もう一つ。 (ナカに、出されてる……っ! アイツの、精液が……っ!)  高遠原が。  俺のナカで射精してるという、感覚。 「ふぁ……あ、あ……っ」  だけど、ナカに出された敗北感よりも。  俺は、三度目の絶頂による快感で……満たされていた。 「はっ、ふぁ……ぅあ、ぁ……っ」  意味のない声を漏らしながら、俺はぐったりと脱力する。  そんな俺の後ろで、高遠原が笑った。 「はァ……ハハッ。……真冬。随分と可愛い声、出すじゃねェか?」  乱暴に、頭を撫でられる。  ――うるさい。  ――大嫌いだ。  ――早く俺から離れろ。  言い返したいのに、言葉がまとまらない。  頭を撫でる手に抵抗しようとしても、体すらまともに動かなかった。 (悔しい……っ)  そう思うと同時に、瞼がどんどん重くなっていく。  それを俺は、不思議だとは思わなかった。 (三回も射精したら、さすがに……っ)  早く、文句を言わなくちゃいけないのに。 「……真冬?」  近くにいる筈なのに、高遠原の声が遠く感じる。  逃げなくちゃとか、どうにかしなくちゃとか……頭の片隅で、吠えている自分がいた。  だけど、怒涛の展開に疲れたせいか。  俺の意識は、飛んでしまった。

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