29 / 83
3 : 4 *
喉の奥いっぱいに注がれた、精液。
それを必死に飲み込むと、俺はすぐに、高遠原のペニスから口を離した。
「げほっ! ぇほ、ごほ……っ!」
思い切りむせている俺を見て、高遠原はご満悦だ。
ニヤニヤと口角を上げて、俺を眺めている。
「あぁ、ヤベェ……最高」
「こほっ、こほ……っ」
「何だよ? そんなに睨むなっつの」
苦笑しながら、高遠原は俺の額に唇を当てた。
「水でも飲むか?」
「いっ、要らない……っ」
「まァ、そう言うなよ。……ホラ」
あらかじめ用意されていたペットボトルを、高遠原は掴む。
そのまま、ペットボトルを俺に渡す。
「飲まねェなら、このまま続き……しちまうぞ?」
「死ね……っ!」
「そこは『ありがとうございます』だろうが」
暴君からペットボトルを奪い取り、わざと音を鳴らして飲み始める。
冷たい水を一気に飲み始めると、口の中いっぱいに広がった変な味が、少しずつ薄れていった。
「んぐ、ん……っ! ぷはっ! ……もう、いいだろ……っ! 満足したなら、帰せよ……っ!」
ペットボトルを握ったまま、高遠原を見上げる。
すると。
「な、何だよ……その、目は……っ」
「お前、俺様がさっき何て言ったか……忘れたのか?」
「さっきって――う、わっ!」
ペットボトルを握っている手を、そのまま掴まれる。
そして高遠原は、床に座る俺を強引に引っ張り上げた。
「お礼……シてやるっつったろ? お前のことも、気持ち良くさせてやるってことだ」
「……っ!」
逃げようとしても、もう遅い。
掴んだ手が、強引に引かれる。
そのままベッドに押し倒されると、床に、ペットボトルが転がった。
「い、いやだ……っ! もう、お前とセックスなんかしたくないっ!」
「別に俺様は『抱いてやる』なんて言ってねェだろ」
「へ、っ?」
顔に、熱が集まる。
(て、てっきり……抱かれるのかと、思った……っ)
でも、じゃあ。
セックスじゃないなら、何で俺はベッドに引っ張られたんだ?
盛大な勘違いをした俺は顔を赤くしたまま、俺の上に覆いかぶさった高遠原を見上げる。
「まァ、後で抱きたくなったら……そんときは知らねェけど」
「だ、騙したのかっ!」
「今はちげェってこと。今は……お前と同じこと、シてやる」
制服のベルトが、呆気なく引き抜かれた。
「同じ、こと、って……?」
ズボンのチャックを下ろして、そのままずり下ろす。
あっという間に下着姿に変えられた俺は、怯えながら高遠原を見つめた。
パンツに手を添えた高遠原は、俺とは対照的に。
「――フェラ」
ヤッパリ、笑っている。
ともだちにシェアしよう!