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 フェラ。  そうか、フェラか。  だったら確かに、セックスじゃないな。  ……なんて。 (――そう簡単に納得できるかよ!)  パンツすらも下ろそうとしている高遠原の頭を掴んで、俺は抵抗を試みた。 「そんなことされたくないっ! だから、サッサと俺を解放しろっ!」  必死に抵抗を示すも、高遠原は気にも留めていない。  ……むしろ。 「いいのかよ? ……ココ、さっきから反応してるぜ?」 「な、っ!」  パンツの上から、俺のペニスを撫でてきた。 (う、うそだ……っ!)  高遠原はうそを吐いて、俺をからかっているに違いない。  そう、思いたかったのに。 (何で俺……勃起、してるんだよ……っ?)  いつから、勃っていたんだ?  また、顔が熱くなっていく。  俺の反応に気を良くしたのか、高遠原は肩を揺らして笑った。 「ふっ、ハハッ。俺様のを舐めて勃起したんだろォが? 体は素直だなァ?」 「そ、そんなワケ――」 「今さっき勃起させたんなら、下着がこんだけ濡れてるワケねェだろ?」  高遠原の、言う通りだ。  パンツには、先走りの液が原因であろう染みが、できている。 「男との経験はさすがにねェけど、まァ? お前よりは上手にシてやるよ」  そう言った高遠原は、遠慮なく。  俺のパンツを、下ろした。 「いっ、やだ……っ!」  ぷるんと、勢い良くパンツから出てきた……俺の、ペニス。  ――見られている。  ――大嫌いな、高遠原に。 「そんな泣きそうな顔すんなって。……そそるだろォが」 「ひ、っ」  高遠原の大きな手が、俺のペニスを這う。  そのまま、やわやわと撫でられる。  小さな声を漏らすと、高遠原は笑う。 「ほんッと……お前、可愛いな」  ――ふざけたこと言うなよ。  そう、言いたかったのに。 「――ひ、ぁん、っ!」  高遠原にペニスを咥えられた俺は。  悲鳴みたいな声しか、出せなかった。 (熱い……っ)  恋人なんかいたことない俺だ。当然、フェラされるのだって初めて。 「い、ぁ……っ! は、ぁ……ん、っ」  ヌルヌルして、変な感じ。  口の中がこんなに熱いだなんて、知らなかった。 「は、ぁ……っ! た、食べ……ない、で……っ」  このまま、食べられてしまうんじゃないか。  初めての感覚に戸惑いながら、俺は弱音じみたことを吐く。  高遠原は、フェラをしたことがないと言っていたけれど。 (き、気持ち……いい、っ)  されたことは、きっと……いっぱい、あるんだと思う。  そのせいなのか、高遠原の舌遣いは上手で。 「んっ、ぁあ……っ! や、やだぁ……っ」  俺は、情けない声を出すしかなかった。

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