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 ネックレスを貰ってから、三日後の放課後。  俺は美鶴からのプレゼントを、持て余していた。 (これって、つけるべき? それとも、部屋に飾っておくとか?)  紙袋にしまっては、毎日持ち歩いて。  だけど身につけたりはできず、時々眺めたり。  そんな、こそばゆい日々を過ごしていた。 (徹に相談するのも変だし……でも、明日は金曜日だし……家に行ったら、つけておくべきか? つけてないと、怒りそうだよなぁ……でもでも、つけてたらそれはそれでバカにしてきたり、からかわれそうだし……うぅぅ、うぅ……っ!)  正しい扱い方が分からないネックレスを持て余して、数日。  だけど俺は、ネックレスの扱い方を考えている時間が……嫌いじゃ、なかった。 (……帰ろう)  紙袋を持ったまま、外靴に履き替えようとする。  ――そのときだ。 「よう、諸星くん。……どうだった?」 「っ!」  体が、勝手に強張る。  だけど反射的に、素早く……声がした方を、振り返った。  この声には、聞き覚えがある。  ……この、声は……っ。 「高遠原美鶴は、何て言ってたんだ?」  そう。  この前……美鶴に何らかの恨みがあって、俺を使って憂さ晴らしをしてきた先輩方だ。  前回と同じように、三人揃っている。 (『どうだった』……って)  キスマークが見つかった日のことを思い出すと。  ――胸が、痛んだ。  だって、そうだろう? 「――なにも、言ってませんでしたよ」  美鶴はただ、オモチャに手を出されて怒っただけだったんだから。  ……何で、忘れてたんだろう?  俺は美鶴にとって、ただのオモチャで……所有物だ。  自分の所有物が知らない間に汚れてたら、誰でも不快な気持ちになる。  先輩たちのしたことは……ただ、それだけだった。 「……なにも、だと?」  そう言ったのは、リーダーっぽい先輩だけど。  三人とも、眉をピクリと動かした。 「先輩たちがなにをしたいのかは、分かりません。でも、たぶん……先輩たちが望んだようなことは起こらないと思います」  言葉にしたら、更に……胸が、痛む。  俺は美鶴にとって、ただのオモチャなんだから。 「先輩たちは、いったい美鶴になにを――」  先輩たちがなにをしたいのか、訊き出そうとした。  ――瞬間。  鈍い音が、聞こえた。 「……っ」  少ししてから。  ――俺は今、殴られたんだ……と、気付いた。 「……んだよ、それ……ッ!」 「見当違い、でしたかね」 「あ~、虫唾がはしる~……」  ここ、生徒玄関だよな?  何で堂々と殴ってくるんだ?  当然の疑問すらも、口にできない。  何故なら。 「諸星くん、ちょっと……来てもらうぜ」  その前に、俺は連行されてしまったのだから。

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