69 / 83

6 : 14 *

 美鶴の舌が、胸を這う。 「やっ、美鶴……っ! 焦らさ、ないで……っ」  ワイシャツを全開にしたくせに。  全ては、脱がそうとしない。  中途半端なのが、羞恥心を増幅させていることに……美鶴は気付いているのだろうか。 「今日はこのままヤるか?」  舌先で、胸の突起をぴんっ、と弾かれる。 「そ、んな……ん、っ」  半端に脱がされているのも、ジワジワと与えられる快感も。  全部が恥ずかしくて、視界が滲む。  思わず、涙目になって美鶴を見つめる。 「そんな顔するから、虐めたくなるんだっつの」  懇願は、ただいたずらに……美鶴の嗜虐心を膨張させただけのようだ。  つまりは、逆効果。 「あ、っ! ひ、ぅ……んっ」  美鶴の大きな手が、乳首に触れる。  たったそれだけのことなのに、体はビクンと大きく反応してしまう。 「あっ、んぅ……ん、く……っ」  俺の反応が気に入ったのだろうか。  美鶴は撫でるだけで、しっかりと乳首を攻めたりしない。 「みつ、る……っ。やっ、さわ……って、っ?」 「触ってるだろ?」  ――そうじゃ、ないのに。  美鶴はニヤニヤと、楽しそうに笑っている。 「や、やだ……っ! もっと、ちゃんと……っ」 「具体的には? どうしてほしいんだよ、真冬」  笑みを浮かべたままの美鶴は、意地悪く訊ねた。  絶対に、美鶴はどうしてほしいのか分かっているはずだ。  なのに美鶴は、言葉を欲しがっている。 「……っ! つ、つねって……ほし、いっ」  何だか、これではマゾのようじゃないか。  恥ずかしさから、顔を真っ赤にして、目を伏せる。  そうすると。 「――ひぁ、ん、っ!」  美鶴が俺の乳首を、軽くつねった。  それだけなのに、勝手に声が漏れてしまう。 「ん、ふぁ……あっ、んぁ、っ!」  それすらも、恥ずかしい。  美鶴に開発されたそこは、俺に十分な熱を与える。 「あっ、ん……っ、やぁ……あ、っ」  つんと硬くなった乳首を、美鶴は弄ぶ。  指先でつままれると、ピリピリとした快感が駆け巡る。  指の腹で撫でられると、フワフワとした気持ち良さに包み込まれた。 「も、っと……っ! 美鶴っ、みつ、るぅ……っ」  目を閉じたまま、美鶴に懇願を繰り返した。  俺の気持ちが、通じたのかもしれない。 「ひっ、やぁ、っ!」  美鶴が不意に、俺の乳首に歯を立てたのだ。 「あっ、んんっ、く……っ! んぅ、あ、ぁあ……っ!」  優しく噛まれると、堪らなくなる。  舌でなぞられると、体が勝手に跳ねた。 「真冬……気持ちいいか?」 「きっ、訊くなよ、ばかぁ……っ」 「ハッ、可愛い……ッ」  オマケと言いたげに、強めの甘噛みをされる。 「んっ、ぁあ、っ!」  下半身に熱が溜まって、辛い。  もういっそ、解放してくれたら。  そんな欲望が、俺の口を勝手に動かした。 「美鶴……っ! し、下……さわって、ほしい……っ」

ともだちにシェアしよう!