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乳首を舌で弄びながら。
美鶴は俺を見上げた。
「下? 下って、どこだ?」
今日はとことん、俺を虐めたいのかもしれない。
美鶴は乳首を攻めながら、わざとらしく訊き返す。
「ここ?」
そしてまたもやわざとらしく、内腿を触ってくる。
小さな快感が、俺の体にピクリと走った。
「ちが……っ! そこじゃ、なくて……っ」
「じゃあ、どこだ?」
さすがに、言うのは恥ずかしい。
だけどちゃんと主張しないと、美鶴は触ってくれないだろう。
俺は美鶴の手を掴んで、ゆっくりと誘導した。
「これ……さわ、って……っ? お、おねがい、だから……っ」
先端が濡れ始めているそれを、美鶴の手に当てる。
そうすると、美鶴の手がゆっくりと……それを握った。
「触るだけでいいのか?」
「ふ、ぇ……っ? ど、どういう、意味……っ?」
「舐めるのもできるけど?」
――舐め、る?
――美鶴が、俺のを?
考えると、下半身に熱が溜まっていく。
「あ……っ、な、めて……ほし、いっ」
小さく震える脚を開いて、顔が入るスペースをつくる。
そんな俺を見た美鶴は、満足そうに笑う。
そして開かれた脚に顔を埋めると、美鶴はすぐさま舌を這わせた。
「あぁ、っ! やっ、ん……っ!」
先走りの液で濡れたそこを、綺麗にしようとしているのか。
まるで舐めとろうとしているかのように、美鶴は舌を動かす。
「んんっ、あっ、ぁあ……っ! そ、んなに……優しく、するな……ん、っ!」
羞恥心ともどかしさを必死にこらえていると、美鶴が俺を見上げてきた。
「激しいのがイイのか? 随分とやらしくなったなァ?」
「誰の、せいだと――あっ、ふぁ、っ! ひ、ぁんっ!」
美鶴が言う、些細な言葉。
そんな言葉にも、体が反応を示してしまう。
「やっ、んぁ、あっ! いきなり、咥え――ひ、ぃあ、っ!」
美鶴は突然、俺のペニスを口の中に含んだ。
そしてそのまま、口の中を出たり入ったり。
「やだ、やぁっ! 激しく、しちゃ、んんっ、あっ!」
――そんなに何度も唇で扱かれたら、変になる。
俺は首を横に振って、限界を訴えた。
だけど美鶴は、止まってくれない。
「だめ、だめだっ、だめっ! 美鶴、で、出ちゃう、からぁ……っ!」
そう告白すると。
美鶴が突然……ペニスに、吸いついた。
「――っ! ぁあ、あっ!」
ガクリと、腰が揺れる。
それに律動するよう、美鶴に咥えられたペニスが、跳ねた。
「ふあ、ぁあ……っ!」
断続的に、美鶴の口へ注がれる精液。
俺は肩で息をしながら、ベッドに倒れ込んだ。
「はぁ、は……っ」
ぐったりと倒れ込む俺を見ながら、美鶴が口元を拭う。
「み、つる……っ。ごめん、俺……口に、出して……っ」
「まったくもってだな」
「え……っ?」
ゆっくりと上体を起こし、美鶴を見つめる。
「怒ってる、のか……っ?」
「そう思うか?」
「……分かんない」
口の中に出されたら、美鶴は怒るのだろうか。
……俺は、美鶴に無理矢理飲まされたときは……いやだと、思ったけど。
実体験をもとに考えてみると、美鶴が怒っている可能性も捨てきれない。
グルグルと悩んでいた俺の考えを、美鶴はたった一言で……吹っ飛ばした。
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