9 / 50
02
「おまえみたいな欠陥品が、普通に生きようとしちゃダメなんですよ。ヒエラルキーが崩れて、場が荒れちゃうじゃないですか。鷗さんのせいで僕が那緒に嫌われちゃったらどうすんですか?鷗さんのせいですよ」
琥珀が俺の胸を靴底で踏み付ける。
例の銀行マンと、俺が少し会話したときもそうだ。
独占欲が強く依存型の琥珀は、俺ごときの介入でこうも簡単に精神ズタボロになる。
俺を虐げ、自分の方が上だと徹底的に顕示する。
くりくりの二重まぶた。長いまつ毛。
少年を彷彿とさせる幼い出で立ち。
なんで俺相手に焦ってんの、って思うくらい、恵まれた外見で。それなのにずっと自信がない。
「琥珀、那緒が好き、なの?」
珊瑚に体を揺さぶられ、声が震えた。
ギリギリまで引き抜かれた性器が、力任せに最奥を貫いてくる。
両脚を開かされ、無様な格好で男としての尊厳は根こそぎ奪われる。
琥珀は何も言わない。
「大丈夫だよ、琥珀」
こんなことしなくても、俺に那緒は似合わない。
ズタボロの人間同士でなじりあっても、結局俺たちは同じ穴のムジナなんだ。
「ぺらぺら喋ってんじゃないわよ」
腹を破く勢いで突き立てられた珊瑚の性器が、前立腺をかすめる。
散々好き勝手されてきた体は欲望に忠実で、勃ち上がった性器の先端から俺は情けなくも射精した。
体勢を変え、床へ押さえ込まれるようにして、獣じみたセックスを受け入れる。
尻の穴が熱い。
奥の方で、どろりとした熱を感じた。
ともだちにシェアしよう!