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05
叔父さんの社会常識の授業は、いつも真夜中で誰にも気付かれないようひっそりこっそりだった。
それは高校に進学してもなお続く。
入学式は袴でお祭り騒ぎが伝統行事。
工業系の中でも群を抜いて偏差値も程度も低かった、西工業男子校にギリギリ合格した俺は、その中でも成績は常にビリケツ争いで、祖父からは心底呆れられたのを覚えている。
暗くて陰気なトカゲみたいな俺を、唯一仲間に入れてくれたのが珊瑚のグループだった。
ウチの学校に不良じゃないグループなんてない。
みんなどこかしら社会常識ってのがぶっとんでいて、クズの集まりだった。
「鷗なんて変な名前付けられて、アンタ恥ずかしくないの?」
珊瑚にそう言われ、初めて自分の名前が変なんだと知った。
ただ、そう言う珊瑚も大概な名前で、特段気にすることもなかった。
あの頃の珊瑚は、今よりずっと気の良い兄貴分ってとこで、節々におかま臭を醸してはいたものの、俺は嫌いじゃなかった。
「金髪にしなよ。可愛いから」
珊瑚に促され、生まれて初めてのブリーチ。
ちん毛が生えないと相談して、「清潔感があっていいじゃない」と返されたのも生まれて初めてだった。
ピアス、お酒、タバコ。
全部珊瑚に教わったけど、女の扱いは教えてくれなかった。
遅ればせながらの思春期。
自ら性器に触れ、勃起し、夢精を経験する。
好きな子が、できた。
自分より背の高い、優しそうな女の子だった。
珊瑚とよく行ったファミレスのバイト。
おっぱいが大きくて、触ってみたいと思ったことがきっかけだった。
俺は迷わず、珊瑚に言った。
俺はその場で、珊瑚たちにレイプされた。
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