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「僕は割と、こっちの子の方が好みですよ。嗜虐心駆り立てられるっていうか。ツンとおすましした顔をぐちゃぐちゃにしてやりたくなるっていうか」  ふいにもう一人の男が俺の手を取り、くるくると円を描くよう優しく撫でた。 「初めまして、鷗くん、でしたっけ?僕は、重形さんの会社で働いてる、松井(まつい)と言います」  日本人離れした彫りの深い顔に体格の良い体。  どうしていいかわからず目を逸らすと、顎を掴まれ強引に唇を奪われた。 「ふ、ふぐうッ」  メガネがヒュウッと口笛を吹いて手を叩いている。  口内に熱い舌が滑り込んで、俺の歯列をなぞった。 「なあにとろんと嬉しそうな顔しとんだ、鷗くん。松井がイケメンだから、喜んじまってるよ。ケツびくびくさせやがって。これだから生粋の変態ってのは」  予約席の札を指で弾きながら、重形は合皮のソファへと体を沈める。  メガネも少し距離を空けて同じテーブルについた。 「あふ、も、や、やめ、ふうッ、ぐる、じッ」  腰を抱き寄せる腕を解こうにも、自分の筋力じゃ全く太刀打ちできない。  首の後ろを強引に押さえ込まれ、ヨダレが垂れる激しいキスを受けながら、松井に体をまさぐられた。  エプロンを外され、黒いスラックスの上から、力任せに尻たぶを揉みしだかれる。  愛撫というより、掴んで離す感覚。  わざとだろう。  痛みしかなかった。 「怖い怖い。普段紳士的な松井くんだが、こうなると無自覚にサディストだからねえ。こりゃ鷗くんを再起不能にしちゃうかも知れないよ。こらこら、とりあえずその変にして、何か酒でも注文しよう」  重形に促され、やっと松井の顔が遠ざかる。  名残りを惜しむように、指先が尻の間を上下して、それからパッと人が変わったように笑みを浮かべた。 「今日は鷗くんが我々に付きっきりでサーブしてくれるらしいから。彼の子どもちんぽこでも見学しながら、シャンパンで乾杯しよう」  腹をさする重形は、まるで息をするかのよう「服を脱げ」と俺に短く指示した。

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