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「お、重形さんッ!暴力はまずいですよッ」  国見が俺と重形の間に割って入る。  松井はニヤニヤとただこちらを眺めていた。 「暴力じゃない、躾だ躾。テーブルに乗って、股開いてしゃがめ。ちんぽこ揺らして謝罪だ、謝罪ッ!」  髪を鷲掴みにされたまま、俺は乱暴にテーブルへ引きずり上げられる。  料理の皿を避け、俺は彼にされるがまま、要求通りにガラステーブルの上で腰を下ろした。  怖かった。  顔に出ていないかも知れないが、いつだって、理不尽に殴られたり、無遠慮に体をまさぐられたりするのは怖かった。  なんで俺ばっかって。  俺の人生ってなんなんだよって。 「早くしろ、ゴミクズ」  膝がガタガタと震える。  歯列が噛み合わない。 「すみま、せん」  涙が、頬を伝った。 「お、出たぞ。AI泣き。無表情で涙。そうやって泣きゃ許してもらえるって、甘やかされてきた証拠だ。30手前で定職にもつかず、毎日ふらふら男遊びしやがって。お気楽なヤツだよ、おまえは」  髪から手を放した重形は、興奮気味に鼻を鳴らし、どさりと再びソファへ座り込む。  国見はこちらを見ずに生ハムを口へ放り込み、松井は相変わらずのにやけ顔だった。 「もっと股開け。そうだ。全てを見せるんだよ。羞恥心のカケラもない低脳なおまえなら、平然とちんぽこ見せれるだろ?ほら、息をするより簡単だ」  重形はシャンパンを片手に、空いた方の手で、俺の股ぐらをまさぐる。  片手間に、乱雑に、俺の性器を辱める。  喉がひゅう、ひゅうと音を立てる。  息苦しい。怖い。気持ち悪い。 「ここを痛くされるの、好きだもんなあ?」  皮余りの性器を指先できゅっと摘まれる。  ノーはない。全てがイエス。  俺はゆっくり、頭を上下させた。

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