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04
「俺じゃ、なか、なか、鷗さんを、満足してあげらんないかも、ですけど。俺、頑張りますんで…ッ」
「い、いい、が、んばんないれ、え、ふえ、んああ」
超絶遅漏の、絶倫サル。
こいつは、俺をなんだと思ってんだ。
かわいい、かわいい、と呟かれ、揺さぶられる。
体勢を変えて、内壁をより深く擦られる。
気持ちも、体も、限界だ。
ギブアップする。勘弁してくれ。
長時間に渡り幾度も出し入れされた挙句、ようやく腹の中に二度目の射精を受け止める。
既に酷使されていた俺の穴は悲鳴をあげていた。
「あふう、ふう、あ、あ、し、しぬ、しんじゃう」
「すいません、鷗さん、俺ばっか気持ち良くて」
体が動かない。
呂律も回らない。
気にするな。良かったよ。嬉しかった。
どの言葉も、ぱくぱくと開く唇から、音にならずにこぼれ落ちた。
「俺も、鷗さんのこと気持ち良くさせたいです!」
わんこのような純粋な目。
嫌な予感。
「俺、ちょっと知識あるんです。男って前立腺を…」
体力のキャパオーバーでうつ伏せになる俺の、尻の穴へ、あろうことか那緒が指を沈め込む。
嘘だろ。バカ野郎。いい加減にしろよ。
「この辺ですか?鷗さんの気持ち良いとこ!」
三本の指先が、ぐぷぐぷと穴の中を掻き回す。
俺だって充分良かった、満足したから!
その声は届かない。
おまえ、俺の言葉をちゃんとわかってくれてるんじやなかったのか?
感じとれ。見てわかるだろう。
わかるくらいに俺はぐったりしているだろう。
「んぐうううッ」
腰を引き上げられ、俺の体内をまさぐる那緒。
目当ての膨らみを探り当てた指先が、ぐりゅうッと強くそれを押しつぶした。
「あひいいいいいいッ!!」
潮吹き。からの失神。
これが愛。これは愛か?
慌てて俺を抱き起こす那緒の、心配そうな顔。
これが愛と言うのならら、思っていたより重たくて、しんどくて、苦しくて、大変で。
それ以上に、幸せだ。
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