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 尻たぶを割り開かれ、穴の周りを指が這いずる。  早急に突き立てられた2本の指が、俺のイイところを探すべくごりごりと内壁を押しつぶした。 「片足上げられますか?」 「あ、う、うん…」  下着から右足を抜き取り、便器の蓋へ乗せる。  犬が小便するような格好で、俺は恋人の愛撫に酔いしれている。  お尻の方が気持ち良さそうにするからと、初めての日以来、前はあまりいじってくれなくなったが、俺の正直な性器は那緒に触れられるだけで熱を持った。 「なんか、鷗さん、最近ユルめじゃないですか?」  両手の親指で左右にぐぱっと開かれた穴を覗き込むよう、那緒が少し訝しげな声を出す。  このところ毎日那緒のものを咥え込んでいるせいか、受け入れの準備が整うまでの時間が確かに自分でも早くなっているように感じていた。 「俺、やっぱ鷗さんに無理させてます?」  さらに広げられたそこへ、那緒の熱い息がかかる。  こちらからは見えないが、しゅんと肩を落とす那緒の姿が容易に想像できた。    男とのセックスは初めてで、わからないことばかりだと、那緒はいつも不安そうにする。  今までの相手は、俺のことなど二の次で、とにかくブチ込めればいいと、尻をいたぶったのに。 「へ、へーき」 「俺、鷗さんも気持ち良くなって欲しいから」  那緒は俺の体に優しく触れると、猛った性器の先端を穴の入口にあてがった。  連日のセックスのせいか、少し痛みを覚える。  熱い塊が、腹の奥を目指して侵入した。 「あ、でも、割といい感じ、かも」 「ん、んッ、ん、んうッ」  空調の効かない密室では、秋口といえど汗ばむ。  珊瑚や琥珀に悟られないよう、俺は唇を噛んだ。  那緒は俺に被さるよう腰を振る。  二人分を支える腕が、ぷるぷると震えた。 「俺、鷗さんと、いると、癒されます」  耳元で、那緒が俺をかわいいと連呼する。  そんな風に言われて喜ぶ歳でもないくせに、少年のように心が弾んだ。 「今日、鷗さんの家で、約束の映画、観ましょうね」  呼吸を荒げながら、那緒が呟いた。

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