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03
口元で両手を握り込む。
祈るような姿で、声が漏れることを防いだ。
目を閉じ、流れる涙を感じる。
和志の指先で性器の外側を扱かれ、中を金属棒で掻き回されている。
両足には力が入らない。
だらりと広げた股の間で、和志がこちらを見下ろしていた。
「なんだ、満足できないか?」
俺はふるふると首を振る。
歯列はがたがたと音を鳴らした。
「ウソをつくな。おまえのちんぽが、ブジーに絡み付いて離れようとしないんだよ。真っ赤に充血してるってのに、もっと酷くして欲しいってヨダレを垂らして食らいついてくるぞ」
この、ド変態野郎が。
和志は力任せに金属棒をねじ込んだ。
痛い。痛い。痛い。痛い!
体が壊れる。心が破滅する。
苦しい。苦しい。辛くて、死にそうだ。
白目を剥き、はくはくとただ呼吸を繰り返す俺に、和志は馬乗りになった。
スラックスから出した太い性器を、俺の尻へとこすりつけている。
どうやら、あちらは準備万端のようだった。
「嬉しそうにひくつかせるなよ。変わらないな、変わらないよおまえだけは」
ヒュッ、と喉が鳴る。
迫り上がる硬く熱い塊が、俺の体を引き裂いた。
俺を手中に入れることは至極簡単だろう。
学も体力もない。
家族も、俺を思う人間もいない。
脳裏には、那緒の顔がちらついた。
どうか、神様。
彼にだけは、俺の一番惨めで汚い部分を知られませんように。
俺は普通じゃない。
俺はおかしい。
体内に叔父の精液を受け入れ、俺も射精した。
俺は狂ってる。
だから、こんな行為でも簡単に勃起する。
これは全て、俺のせい。
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