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第13話
寒い部屋に、裸で立つ14の俺。
腹には油性マジックで「反省中」と書かれていた。
1歳になったばかりの、和志の娘、志那 が時折ふすまを開いては、俺を指差してけたけた笑った。
がちがちと歯が震える。
先日も同じ罰を受け、高熱を出したばかりだった。
部屋には、小さなろうそくの明かりがあるだけで、それすらも吹けば消えてしまいそうな頼りなさ。
尿意を我慢してからしばらく経つ俺は、その火のゆらめきでさえ刺激になった。
手を使わず、床でうまく食事ができなかった。
昔飼っていた犬の餌皿に、冷えたごはんと味噌汁を混ぜられ、祖父の前で跪く。
背中で両腕を縛られ、尻を高く上げた格好で、俺は餌皿に舌を伸ばす。
今よりずっと長かった黒い髪が、餌皿の残飯に絡みつく。
「おまえという男は、難儀なヤツだなあ」
尻へ、ほうきの柄が振り下ろされた。
べちん、と鈍い音だったが、威力は凄まじかった。
「ふぐあッ」
口に含んだばかりのメシを盛大に吐き出し、俺は再三打たれる。
吐き出しては打たれ、打たれては吐き出した。
俺はぼんやり、揺れる炎を見つめる。
吐き出した名残が口の中で粘ついている。
体には痣が浮かび、性器は腹と同じ油性ペンで黒く塗りつぶされていた。
これは躾。
施設にいる間、俺は同室の連中に無理やり性器を触らせたり、尻を慰めるよう懇願したりと問題行動が見られた。
祖父の耳にそう伝えられた引き継ぎのおかげで、俺は毎日毎日性器をマジックで塗られている。
尻の穴も同様に、そうされた。
今後は汚い己の体を人へ見せびらかし、たぶらかすような男にはならないようにと。
早朝に叩き起こされた俺は、裸になり、四つん這いで祖父に尻を見せる。
硬いマジックの先で体を削るよう、罪の黒を何度も上塗りされた。
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