43 / 50

第13話

 寒い部屋に、裸で立つ14の俺。  腹には油性マジックで「反省中」と書かれていた。  1歳になったばかりの、和志の娘、志那(しな)が時折ふすまを開いては、俺を指差してけたけた笑った。  がちがちと歯が震える。  先日も同じ罰を受け、高熱を出したばかりだった。  部屋には、小さなろうそくの明かりがあるだけで、それすらも吹けば消えてしまいそうな頼りなさ。  尿意を我慢してからしばらく経つ俺は、その火のゆらめきでさえ刺激になった。  手を使わず、床でうまく食事ができなかった。  昔飼っていた犬の餌皿に、冷えたごはんと味噌汁を混ぜられ、祖父の前で跪く。  背中で両腕を縛られ、尻を高く上げた格好で、俺は餌皿に舌を伸ばす。  今よりずっと長かった黒い髪が、餌皿の残飯に絡みつく。 「おまえという男は、難儀なヤツだなあ」  尻へ、ほうきの柄が振り下ろされた。  べちん、と鈍い音だったが、威力は凄まじかった。 「ふぐあッ」  口に含んだばかりのメシを盛大に吐き出し、俺は再三打たれる。  吐き出しては打たれ、打たれては吐き出した。  俺はぼんやり、揺れる炎を見つめる。  吐き出した名残が口の中で粘ついている。    体には痣が浮かび、性器は腹と同じ油性ペンで黒く塗りつぶされていた。  これは躾。  施設にいる間、俺は同室の連中に無理やり性器を触らせたり、尻を慰めるよう懇願したりと問題行動が見られた。  祖父の耳にそう伝えられた引き継ぎのおかげで、俺は毎日毎日性器をマジックで塗られている。  尻の穴も同様に、そうされた。  今後は汚い己の体を人へ見せびらかし、たぶらかすような男にはならないようにと。  早朝に叩き起こされた俺は、裸になり、四つん這いで祖父に尻を見せる。  硬いマジックの先で体を削るよう、罪の黒を何度も上塗りされた。  

ともだちにシェアしよう!