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02
和志と会ったせいか、嫌な夢を見た。
畳に裸で転がされていた俺は、息苦しさに目を覚ます。
部屋の中に、太陽の光が差し込んでいた。
和志の姿はない。
助かった。
酒のせいで記憶は曖昧だが、とりあえず満足して帰ったのだろう。
重い体を持ち上げる。
「うぐッ」
下半身に痛みが走った。
見れば性器の先端が赤い。
尿道口も幾分いつもより開いている気がした。
それから、案の定とも言うべきか、尻が痛む。
かなり奥まで無理やり引っ掻き回されたらしい。
こちらの意識が混沌としていてもおかまいなし。
まさに和志らしい、人畜非道な扱いだった。
「体、いてー」
布団が俺の体液でぐちゃぐちゃだ。
体調はすぐれないが、休む場所もなかった。
とにかく、何か飲みたい。
そう思って立ち上がろうとしたときだった。
「鷗さん、昨日は随分お楽しみだったみたいすね」
部屋の隅であぐらをかく、那緒と目が合った。
「な、那緒」
幻覚か?いや、本物だ。
くっきりとした二重の奥で、大きな黒目がこちらを見据えている。
大学が忙しいことを理由に、彼がうちに来なくなってからいつぶりだろうか。
俺は相変わらず那緒を前にするだけで、アドレナリン全開フル回転で、彼のもとに這い寄った。
「那緒、どうして」
「無用心ですよね、鷗さん。鍵開きっぱ。セックスの臭いぷんぷんさせて、股開いて、ぐーすかぐーすか」
「え、あ、な、那緒。なんか怒ってるのか」
いや、悲しんでる?
恐る恐る俺が差し出した手を、那緒は力いっぱいにはたき落とした。
「鷗さん、なんだかんだ言ったって、やっぱ経験豊富だし、大人だし、俺なんてガキだろうけど。恋人いて、平気で男連れ込めるとか神経疑うよ、俺」
「え、あ、俺」
「鷗さんにとって、俺って何?俺、やっぱ遊ばれてんのかな」
那緒の声が震えていた。
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