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 俺が、那緒をもてあそぶ?  どこにそんなスペックがあるというのか。 「友達にも言われました。トイレで毎日セックスとか頭オカシイって。そんな女、便宜上彼女って言ってるんですが、変態か遊びだって」    変態!!?  は、さておき、俺が那緒を遊びだって?  こんな粗悪品が、那緒みたいな一級品を?  それに、トイレでセックスって、おまえがいつも愛情チャージって言って甘えてくるからじゃないか。 「人の、せいか?」  よりによって俺の口からようやく出た言葉は、想像以上に冷たく聞こえた。 「は?」  那緒の顔が凍りつく。  いつも余裕いっぱいのくせに、そんな顔できるんだ、ってくらいに困惑している。  俺の、言葉に怯えているような。 「そ、そんだけ、やってりゃ、俺が忙しい間は誰かに慰めてもらってるって。やっぱ、そーなんだ。俺、鷗さんに会うの久々ですげえ電話したのに無視だし」 「えっ!」  部屋をキョロキョロと見渡せば、玄関の隅に転がっているスマホを見つけた。  バイト上がりでマナーモードのままだし、夜中は和志のせいで意識ぶっ飛んでたし、全然気付かなかった。 「鷗さんにとって、俺は都合の良い竿役…」  しゅん、と肩を落とす那緒。  子犬のような那緒の口からは衝撃の竿役発言。 「な、那緒?」 「てか、彼氏かどうかも今思えばわかんないですよね。付き合おうって言っても言われてもないし」  いつの間にか三角座りで小さくなっている。  自信に満ち溢れたイマドキの大学生はいない。   「那緒?俺、あの、悪かった」  素直に謝ってちゃんとやり直そう、と思った矢先、俺はどうやら選択肢を間違えたようだった。 「そうやって、ガキ扱いで、何でもすぐ謝って済まそうっての、俺やっぱ無理です」  那緒の声は震えていた。

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