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第3話
スーパーからの帰り道、荷物は斗真君が持ってくれた。
ありがたいけど、俺も男だよ?
あれ?いつの間にか不良仕様が無くなってる。
「どした?そんなに見て。」
「不良モードが終わってたから。」
「不良モード…。進の家族に不良だとバレるのダメかなぁって。」
「あーどうだろ?偏見は無いとは思う。多分。」
俺の周りに居ないと思うしなぁ。
父さんも母さんもやんちゃしてたって聞いたこと無いしなぁ。
「すすむ〜!」
後ろから弟の優が走ってきてる。
帰りが重なるの珍しい。
「珍しいね、陽介君一緒じゃ無いんだ。この人誰?」
優君、人に向かって指を刺すんじゃ無い。
「こちらは、松木 斗真くん。クラスメイト、うーん違うな。友達。」
「え・・・。斗真くんって・・あの・・・?」
ほぅ弟も知ってるのか、斗真くん凄いな。
「こんにちわ、多分その斗真であってると思うよ?同姓同名が居なければね。」
「同姓同名が同い年で、こんな近所に居るかなぁ?」
「進は居そうだな。おっさんとかで。」
「おっさんって、俺の名前古臭いって言いたいのか?」
睨みつけるも気にしてないな。
笑ってんなよ。
不良漫画の主人公のくせに。
「また、主人公とか思ってんだろ?」
なんでバレたし。
優に献立を教えたら、羨ましそうに良いなぁと、斗真くんが言うので一緒に食べることにした。
ソファに向かい合って座ってる二人に、お茶を持っていって夕飯を作ってる。
「斗真くんが進の友達で居てくれるのは良いけど、不安だよ。」
ポテチを食べながら、優が俺の心配してくれてる。
最近、あんまり構ってくれなかったからお兄ちゃん嬉しい。
「安心しろ。進を危険な目には合わせるつもりもない。」
ほああああああ!
斗真君そのセリフは、ダメだよ!
まーた、ドキドキするじゃん。
気を取り直して作るぞ!
空になったコップを持って斗真君が来た。
手伝ってくれると言ったけど、丁重にお断りした。
皮むき器で、確実に斗真君の指が削げる気がする。
今後も味見係だけで良いです。
3人で仲良くごちそうさま。
部屋が見たいと言う斗真君と俺の部屋で、斗真君はベッドに座って俺は勉強机の椅子に座ってる。
「この漫画、俺も好きだわ。」
本棚から1冊取り出してパラパラ見てる。
この部屋に陽介以外の人が居るのが珍しくて、不思議な感じ。
「来月、映画公開じゃなかった?俺はDVD出るの待つと思う。」
「映画館嫌いなのか?」
「一人で映画館に行く勇気はない。」
「俺と行けば良いじゃん。」
眼から鱗とは、こう言うことか!
「良いのか!?なら一緒に行こう!受験生とか忘れたい。」
「受験生は忘れんな。大学どこ受けんの?」
「一応はS大。けど大学に行くか、就職しようか悩んでるんだよね。」
「S大かぁ。俺は経営学行くからI大目指してるよ。受験終わるまで、悩め悩め。」
斗真君ちゃんと聞いてる?
さっきから集中して読んでるよね?
斗真君はI大かぁ。
目指すものあって良いなぁ。
生理来る前は、IT系も良いなぁとかWebデザイナーも良いなぁとか考えていたんだけどなぁ。
自分の身体を思い知って、迷子になった。
本当になんでこのタイミングで来るかなぁ。
21時になり母さん達が帰ってきたから、斗真君は挨拶して帰っていった。
斗真君の顔を見てテンションが上がったの、わかったよ?母さん。
斗真君、イケメンだからねぇ。
陽介君とは違うタイプねぇって、キャッキャしない。
こんな母さん知らない。
父さん、若干引きつってる気がするけど、気付かなかった事にしよう。
夫婦で誤解ないようにしっかり話し合ってください。
駅まで送ろうと言ったら、俺がここに居る意味思い出して?って斗真君に言われた。
安全のために送っていただきましたね。
忘れてました。
帰り際に、そっと頬を撫でられたよ。
あれは本当にダメです!!
動悸がハンパない!!
自分の部屋で唸って居る俺は、どうなってしまうんでしょうか!!
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