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第13話
「モフモフ〜ジョンよ〜お前はなぁ〜んでそんなにモフモフなのかい?あー幸せ」
金色の毛並みがフワッフワで、触り心地抜群のゴールデンレトリバーのジョンを堪能中。
お日様の匂いと、犬独特の体臭に、すぅー、はぁ〜。
お義父さんが飼い犬の散歩から帰ってきてから、斗真とまた何やら話し込んでる。
俺はジョンを預かりボールで遊んで、芝生の上でジョンとゴロゴロ、撫で撫で、スーハースーハー。
抱き心地も触り心地も最高なジョン。
そのまま疲れ切って寝てたとか知らないよね。
「進〜あれ?どこ行った?」
ワン!ワンワン!
寝そべるジョンの横には、倒れている進がいる!?
「進!?どうした!?」
慌てて駆け寄れば、スースーと規則正しい寝息が聞こえる。
マジかよ。
浮かれきってやり過ぎた感は否めないが、疲れているとはいえ、まさか外で寝ているとは思わなかったぞ。
「進君どうした?大丈夫なのか!?」
慌てた俺の姿に親父も驚いたのか、靴も履かずに飛び出してきた。
「いや、ただ寝てるだけだ。」
「はっ!?寝てる?本当だな。気持ちよさそうに寝ているじゃ無いか。今夜も泊まっていけ。」
「ああ、そうする」
こうなると起きない事は知っているので、進を横抱きにし部屋に連れ帰る。
周期的に見ても、よく寝る時期だな。
中に出した物が身を結ぶか分からないが、まだいいとも思う。
これ以上無いくらいに進を縛れるならば、いつでも良いぞと思ってしまう。
「あーー眠い。ジョンと遊んでー……あれ?そのあとどうなった?」
「ジョンと添い寝してたぞ。ふぁ〜ぁ」
あのモフモフは気持ちよかったからなぁ。
高級毛布ですわ♪
「あ!俺思い出したんだけどさ、お母さん居ないって初め言って無かったっけ?」
どこ見てるの?斗真君、目を合わせなさい。
グイッと顔をこっちに向かせるけど、視線はあっち向いてる。
俺が視線を合わせようと顔を動かすと、また視線はあっち向いている。
あっち向いてホイはもう良いから!
「前から弁当美味そうだなぁって。進、優しいから居ないって言えば作ってくれないかなぁ〜ってな」
「勝手に父子家庭にするな!」
頭を1発しばいたったわ。
あんな良いお母さんを居ないって、しかも理由が弁当って。
斗真がアホの子過ぎて可愛いって思う俺もアホなんだろうなぁ。
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