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その先3

★ 「ヤバかった…ホントに死ぬかと思った」  翌日の昼。寝起きの俺は、まだ震える手でタバコを出しながら呟いた。  首を絞められるというのは変な筋肉を使うようで、俺は今、動くたびにプルプルと震えが止まらない。筋肉痛なんて久しぶりだ。 「オレはちんこ取れるかと思った」 「そりゃあ大変だったな」 「マキの首と尻の穴は連動してる」 「その言い方なんかイヤなんだが」  食事をするところと、排泄するところを一緒くたにしないで欲しい。まあ、消化管という意味では同じなんだが。 「それよりさ…マキ、妊娠しないの?」 「テメェまだ言うか!?」 「冗談だって」  という、ユキの顔はとっても残念そうだ。 「例え妊娠できるとしても、お前の子どもなんていらん」 「なんで?きっと可愛いぜ?目はオレに似てクリクリがいいな。髪はマキのフワフワを受け継いで欲しい。あと、ちょっと生意気な方が可愛げがあるから、そこもマキ似で」 「キモいんだが」  頭のおかしいユキは放って置いて、俺はプルプル震える身体を起こし、ベッドから出た。トイレに行こうと思ったからだ。  で、なんとも言えない違和感に気付いた。 「あ」  完全に油断していた俺は、太腿に伝うドロリとした感触にちょっとした焦燥感を覚え、でも漏らしたにしてはなんか違うなと視線を向ける。  それは紛れもなく、ユキが散々中に出した精液で。 「ごめん。長時間放置で熟成するタイプかと思って、後始末しなかった……やっぱり妊娠しないな」 「死ね!!!!」  慌てて風呂場へ直行する俺。 「クソッ!!」  もともと自分で掻き出すのが普通という、悲しいセックスばかりだった俺にとって、後処理は別に慣れたものだけど、ユキと付き合ってからは初めてだった。  シャワーを出しながら、浴槽に片手をついて自分の尻に自分の指を突っ込むのは、毎回なんだか虚しくなる。 「ごめんな、ほんの出来心で」 「うるさいっ!あっ、ちょ…」  ついて来たユキが、突き出した俺の尻の穴に指を突っ込んできた。 「ふぁぁ…んっ……やめ、抜いて!」  散々ヤッても元気な俺。ユキの指にすら一瞬で出そうになる。 「掻き出すだけだから我慢しろよ」 「ムリッ……ああっ、イ、きそ……」 「ドスケベ」 「うるさ、いっ!!」  それはお前もだろ、と思う。  ユキの指が動くのに合わせ、尻からドロドロしたものが溢れ、俺のちんこがビクビクとガマン汁を垂らす。 「なー、マキ」 「ん、ふぅ…?」 「お前の不安、取り除く方法があるんだけど」  何の話?と、聞きたいが、口を開けば喘ぎ声しか出ない自信がある。 「オレのかーちゃんにお前のこと紹介したいんだけど」  ゴリっとユキの指が前立腺を押した。 「イ、やぁっ!」 「イヤ?お前失礼にも程があるぜ」 「ちが、ちが、う!ああっ…」  絶対ワザとだろ!?  というか、そんな話今するなよ!! 「実家、一緒に行ってくれる?」 「イくっ…うぅ…」 「どっちのいく?」  ウゼェ!! 「どっち…って、今……答えらんね、から……ちょっと黙って尻の中いじっとけよお前!!イケねぇよ!!!!」 「あ、ごめん」  尻に指突っ込まれたままキレてしまった。  いや、これは俺悪くなくない?誰だってキレるよな?  ユキは心を入れ替えて、せっせと尻に入れた指を動かし(ついでにちんこも挿れてきた)、俺は出すもの出してスッキリした上で、風呂場から出た。 「オレの実家、わりと近いんだけど…どうする?」  リビングに戻り、改めてユキが言った。  その提案は、正直嬉しいと思う。今まで家族に紹介したいなんて言われた事がなかったし、俺の家は家族の付き合いなんて興味ない!というスタイルだった。  でも、不安なのも確かだ。  もし拒絶されたらと思うと、どうしていいのかわからない。俺は別に平気だが、ユキに迷惑がかかってしまう。  生産性のない付き合いをしている俺たちには、その先の未来なんて無い。それを、ユキの母親はどう思うだろうか。 「オレはマキをかーちゃんに紹介したい。その結果どうなっても、オレはマキを選ぶ。っても、マキの想像していることにはならないと思うけど」  ユキがあまりにも自信満々で言うから、なんだか断ることもできなくて。  結果、近々ユキの実家へ行くこととなったのであった……

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