5 / 26

第4話

ラップフィルムのハート 結局、顔も見ないで出ちゃったけど。 ま、あの店は無いな。 俺の本能が、無理無理って告げてるぜ! 店に戻ると、常連さん達から何故か大歓迎を受けた。 いゃ~、これ、この空気よ! ガサツでし、かまってちゃんだし、もう、放置が辛いw 「カイシデン、戻りましたー!」 これ、老若男女、知ってんだよなー ガン○ム、俺もリアルタイムでは見てないけど、好きだったしね。 「マスター、カーディナルお願いします!」 「カイ、仕事しないのか?」 「え?いいの?  着替えてくるね!」 やったー、お客より店員のがいいよ。 お客さんに飲ませて貰えるもん。 カラン♪ いらっしゃいませー 見るとやっぱり一見さん。 俺の安寧の為には、全ての客がゲイかバイしかあり得ない。 「お一人様ですか?」 俺が聞いて、マスターが案内する。 カウンターについちゃったよ。 迷子系はボックス席がいいんだけどなー 相手しなくていいじゃん。 「なんに致しましょう?」 にこやかに接客中ー 「君、お店で彼に色目つかってたよね。  ブスがさー  キモいし、ほんと死ねば?」 「は?」 一瞬、何言われたかわからんかった。 だってさ、ブスなのは自覚してるし、普通に生きてんだけど。  ゲイにモテないから、魔法使い目指して、賢者まで行く予定よ、俺。 「誰かとお間違いじゃないですか?」 「お前だよ、お前!  カーディナルとかしってて頼んだんだろ?」 「え?えーっと、たんに綺麗だから頼むんですけど。」 マジわからん。 カーディナル頼むやつなんて、いくらでもいるだろうよ。 「こちらに仕事に入る前に、飲んだことを言われてらっしゃいます?」 さっきの居心地の悪い店で頼んだけどな。 色目も何も、スマホさんしか相手にしてませんがな。 パラレルワールドの話なら、違う店にしてくれよー! 「そうだよ、ブス!」 「申し訳ございません、あのお店には二度と行きませんし、お客様もこちらには二度と来られませんようにお願いしますね。」 にこやかにお帰り願う。 別に、行かなくていいし、参ったねー。 「客じゃねーな。  座って営業妨害しただけだよな?w」 悪ノリのお客さんに、めっちゃ正論ブッ込まれましたー!w いいよ!いいよー! 「マスター、外行くわ。  ほら、お前もだよ。」 「な!」 うーん、この人、見たこと無いなー。 悪ノリのお客さんに感謝! 引きずり出されて、5分くらいしたら、戻ってきた。 「ありがとうございます。」 「すまなかったな、カイが色目とか有り得んのにな。」 マスターが何気に酷い! 色目って、こう、瞬きをパチパチする感じ?で、チロチロ見ちゃうんでしょ? やって見せたら、盛大にオェーされた。 自分でもオェーだわ。 「お前どこで飲んでたんだよw  しかも、色目って」 「繁華街外れたとこにあるゲイバー?」 お高いとこ! 俺の財布じゃ次はいけないところ! 「カーディナルはマスターに作って貰ってから、最近覚えたんですよねー」 「マスターも悪いやつだなww」 え?なになに?何があるの? 「カイ、それ、その店で頼むなよ。  優しい嘘ってカクテル言葉で、一夜限りを探してるって、言う意味であそこは使ってるんだよ」 マジで?知らんかった! カクテル言葉、スゲーな、おい! 「魔法使いになれなくなっちゃう!  やだやだ、ランプからかっこいい彼氏出さなきゃいけないのに!」 最後は、ランプから彼氏が出て来なーいってネタで終わりましたとさ。 「カイは、世間からすりゃ、可愛いんだよな。  バイには受け、いいだろ?w」 まあ、たしかに、かわうぃーねー言われんのはバイでも女寄りのバイ。 まあ、少ないけどな! なんか今夜はどうしちゃったんだろ? 波乱の予感? はしねーなーww

ともだちにシェアしよう!