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第5話
スポンジのハート
ゲイの好みに入らないゲイは、漫画読んでも載ってないんだよなー
あれ、マジ、ファンタジーよ?
あぁいうのがモテるなら、俺、モテモテよ?
モテモテは言いすぎた。
はい、盛りました。
悪い病気出ました!
「カイ君は、どんな人が好みなんだよ?」
ガチムチまではいかなくても、マッチョ系は外したくないね。
「うーん、マスターみたいな人!」
可愛くて言ってみる。
此処は、職場の上司を持ち上げるでしょ!
実際、マスター、マッチョだし!
27歳、派遣で生き抜いてますから。
「あとは、優しい人。
俺弱いし、豆腐メンタルだし、色々逃げちゃうし、泣きたくないからさ。」
ちょっとマジに言ってみる
ここは隠さなくていい場所だからさ。
しかし、さっきの奴、彼氏がいるんかー
羨ましいw
「なんかその前の2人も、俺のこと知ってる風だったし、なあんか、今日は厄日なんですかねー?w」
「どっかで悪さしたんじゃねーの?」
悪ノリさんがニヤニヤ笑いをする。
どう悪さするんだよw
「モテないけど、プライドはまだあります~(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)」
笑って済ましてりゃ、なんとかなんべ?
その日の営業はそろそろ終了。
そのあとは就活用のサイト検索して~
魔法使いはあと、2年と少し。
諦めたくないけど諦める。
外に出たからって、ブスってスペックが変わるわけじゃないしね。
今までおつきあいとかしたことないし、こう言ってはアレだが、実はファーストキスもまだだしなw
あ、動物相手はあるんやで?w
子猫のべろちゅーは痛かった・・・・。
良く言うじゃん、ペット飼ったら終わりだって。
飼おうにもペット不可物件だけどな!
そこはまだ、終わりにはならないみたいだけど。
結局、弄られて、かまってもらえれば機嫌も良くなるんだw
それでも、アパートへ帰ると落ち込むんだけど
そこで、漫画とかなら、ファンタジーな展開が起きたりするんだよな。
間違って。ウリ専来ちゃうとか、主人公を溺愛するワンコ彼氏とか、イケメン彼氏設定が下りてくるのにな~
何度もいうけど27歳現実は甘くない!
アパートの前に人影!
これは、ファンタジーな展開、キター!!! か?
って思ったら、さっきのめんどくせークレーマー。
回れ右して、マスターに電話した。
家まで来るとか最悪。
なんで知ってんの?
怖すぎなんだけど!
「おう、カイどうしたー?」
「マスター、やばい!
さっきのクレーマー、アパートのとこにいる!」
なるべく離れて、小さい声でしゃべったけど、夜中って、空気も冷えてよく通るんだよなー
半分走りながら、電話してマスターに助けを求めた。
ヤバイやばい!
俺、なんかした?!
大体、あれ以来仕事同じとか、そういうの無理なんだよね。
俺より上とか、もう、辛い気持ちハンパないし。
やっと、ちゃんと働こうって思ったんだから、そっとしといてよ!
泣きそう!
いや、泣く!
マスターは笑いながら、行ってやるよって、言ってくれたけど。
もう、俺、マジで逃げるよ。
この街にもいたくないし、派遣契約終わったらその足で逃げるって決めた。
どうせ、誰もいないし、身軽だし!
ノンケを装って、どっかの田舎で自給自足でもいいよ!
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