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第9話 契約 ①

本当は襲いかかりたいくせに… でもそんなことしたら… 「本当に?(ここ)こんなに硬くして、俺を押し倒してキスしたそうにしてのに?」 智樹はスラックスの上から太一の楔を掌の中に包み込む。 「っく……っ……」 太一の楔は、硬くなりすぎて痛くなっている。 「俺は…ただ智樹君のそばに…、いたいんだ…。それに…キスは絶対しない…」 奥歯を噛み締め太一が顔を顰める。 「どうして?」 わかりきった事を智樹が太一に聞いた。 「智樹君の唇にキスをしない。生で智樹君の中に挿れない。ゴムをしてても中に出さない。恋人になって欲しいと言わない…。束縛しない。詮索もしない…。これが智樹君と会うための約束…だから……」 苦しそうに太一が智樹との約束を口にする。 この約束を守らないと、もう智樹とは絶対に会えなくなる。 だから太一は智樹から放たれている、微かなオメガフェロモンの香りにも必死に耐えていた。 「もう一つ、1番大事な事忘れてる」 直樹が首に巻きつけているチョーカーを指さす。 「頸を噛もうとしない…」 苦しそうに太一が呟いた。

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