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第17話 川上 幸樹 ②

「どうした?智樹。急に…」 本当は忙しいはずなのに、幸樹はゆったりと話しだす。 「実は明後日、幸樹兄さんと約束していた食事に行けなくなってしまって…」 申し訳なさそうに智樹が俯くと、 「え?…。何かあったのか?」 幸樹の顔が曇る。 「実は学校で討論会があるんだけど、まだ納得のいく文章ができてなくて…」 悲しそうに智樹が幸樹の顔を見上げた。 「そんな事だったのか。それじゃあ智樹の代わりに、あいつに書かせるよ」 幸樹は思い当たるのかスマホを取り出し、電話をかけようとすると、 「ダメだよ、そんなの!自分の力で作り上げないと、なんの意味もない」 幸樹の手を智樹が引っ張った。 「幸樹兄さんの気持ちは嬉しいよ。嬉しいし、幸樹兄さんとの食事もすごく楽しみにしていたから、本当に残念で…。でもこれは1人の力でやり遂げたいんだ」 智樹が幸樹の手を引き、皮張りの副社長椅子に座らせる。 「僕、頑張るから。だから幸樹兄さん、応援してくれる?」 智樹は幸樹の前では、智樹の可愛い容姿を最大限引き出せるよう自分の事を『俺』とは言わず、『僕』と言い、甘える素振りを見せる。

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