しばらく無言で車を走らせていた早見が智樹の方を見る。 「智樹君。夜景が綺麗な場所があるんだけど、そこ寄ってかない？」 夜景… 昔、幸樹兄さんが車の免許を取りたてた頃、夜景を雅樹と俺と幸樹兄さんの3人で、よく見に行ってたな。 昔の事を思い出したが、智樹は今、幸樹の事も雅樹の事も考えたくなかった。 「……」 今、夜景を楽しめる感じはしない… 「今は…」 智樹がそう言いかけた時、 グゥ〜 智樹のお腹がなった。 「‼︎」 「‼︎」 恥ずかしさのあまり、智樹はお腹を押さえると、 「とりあえず、何か食べに行こうか」 早見はお腹を押さえている智樹を見て微笑み、車をUターンさせた。