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第46話 日の出 ①
「早見さん。日の出って何時ぐらいですか?」
智樹の問いかけに、早見はネットで日の出時間を検索する。
「だいたい今から一時間後ぐらいかな?どうして?」
「こんな機会めったにないから、日の出見たくて…。ダメですか?」
早見の答えを心配そうに智樹が待つ。
「俺はいいけど…。智樹君、帰る時間遅くなるよ?家に着く頃には、明るくなってるし…」
今度は早見が心配そうに智樹を見た。
「いいです。たまには…って、初めての事なんですけど、この年頃の男の子が夜中内緒で家抜け出して、朝帰りしたっていい年頃ですよ」
「それならいいんだけど…」
「ありがとうございます‼︎」
智樹が早見にお礼を言った後すぐ、大きな欠伸が出た。
しまった。
お礼の後すぐになんて、失礼だ。
それに『欠伸がでるぐらいなら、帰った方がいい』なんて言われるかもしれない…
智樹は急いで口元を両手で隠す。
「智樹君眠い?」
「眠くないです‼︎」
力強く智樹が答えるが、また大きな欠伸が出た。
「やっぱり眠いんだろ?」
早見はやれやれという表情をする。
やっぱり帰らないとダメかな?
智樹が肩を落とすと、
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