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第48話 日の出 ③

初めて見る、実際の日の出は感動的だった。 暗かった遠くのビルの隙間が徐々にオレンジ色になっていき、その光がどんどん周りを明るくしていく。 すると、周りがオレンジ色から一転、周りより一段と明るい光の集まりが大きくなっていったかと思うと、周りに光の線を放ちながら、丸く大きな太陽が頭を出す。 徐々に太陽が姿を表していくと、オレンジ色の光も半円を描きながら、太陽の周りから色を濃くしていき…… すっかり太陽が全貌を表した時、智樹は泣きそうになった。 毎日、ただ単に朝起きると周りは明るくて、冬場は同じ時間に起きても、ただ暗いだけだと思ってた。 でもその太陽は毎日地上を照らしながら、暗い夜から明かりを灯していく。 知らなかった。 こんなに綺麗だったなんて…。 帰りの車では、智樹も早見も何も話さなかった。 それでも2人とも感じるところがあったようで、早見は前を見つめながら、智樹は窓から見える太陽を見ていた。

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