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第71話 早見に返信 ②
もー、仕方ないな…
「早見さん、すみません。友達がどうしても俺を送りたいみたいなんで、友達に送ってもらいます」
そういうと、電話口の早見は、はぁ~とため息をつく。
「そのお友達、車?」
いや、それは絶対にない。
「同級生なので、車じゃないです」
「じゃあ、自転車か徒歩?智樹君の家から近い?」
「家同士は学校から反対方向なので、遠いです。乗り物は…」
答えを待つように、智樹が環を見ると、まさかの
「バス」
口パクで環が答え、今度は智樹が頭を抱えた。
バスって言ったら、絶対早見さんダメって言うだろうな…
言うだけ言ってみよう。
「バス、、だそうです…」
「バス⁉︎」
案の定、早見の口から驚きの声が上がる。
「はぁ〜……。こうなったら仕方ない。俺がその友だちの家に智樹君と友達を迎えに行って2人を乗せる。それからまず智樹君を家まで送る。そして最後に友達を家に送り届ける。そうしない?」
早見の説明を受けている最中、智樹は早見に対しての申し訳なさが込み上げてきた。
「でもそんな事…」
智樹が断ろうとすると、
「そうさせて。そうじゃないと2人とも無事に帰れたか心配だから。ね」
早見は優しい声で言い聞かせる。
「友達の名前は『環』っていいます。すみません。お手数をお掛けして…。よろしくお願いします」
智樹は早見には見えないはずなのに、頭を下げた。
「住所、メールして」
と早見は言い、電話を切った。
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