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第14話 病院からの帰り道

病院からの帰り道。 晶は病室での神谷の笑顔が忘れられなかった。 忘れたかった、あの太陽みたいな笑顔。 俺なんかに向けないで欲しかった。 期待させて欲しくなかった。 『また先輩のあの笑顔、見れるかも』って。 俺、ちゃんと普通に先輩と話せただろうか? 晶の脳裏に薫の笑顔が浮かぶ。 薫、どう思う? 先輩からのお礼、 やっぱり断った方がいいよな。 そうだよな。 先輩はただのお返しだと思ってるけど、俺は先輩からのお礼、凄く楽しみにしてしまっている。 それってやっぱりおかしいよな。 家に帰ったら断りの電話入れておくよ… って、先輩、俺が先輩の番号知ってるってなったら、気持ち悪がるかな? じゃあ、明日もう一度病院行って、直接断るよ。 晶は脳裏に浮かんだ薫に話すと、薫は少し困った顔をしたように見えた。

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