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第15話 薫に会いたい

晶は薫の家の門の前で、立ちすくんでいた。 チャイムを鳴らそうと指を近づけるが、指が震えて途中で止まる。 せめて薫に線香あげたい…… もう一度チャイムを鳴らそうとした時、 ‼︎ 晶は薫の家の窓から視線を感じた。 あ……、ママさんだ…… 視線の先には薫の母がいて、晶と目が合うと分厚いカーテンを閉め、晶に中の様子がわからないようにする。 今日も… 線香あげられなかった… 晶はため息をつくと、今度はある場所に向かう。 薫の葬式。 晶は出席できなかった。 薫の母が出席させてくれなかったからだ。 息子の死に直接関係なくても、晶の誕生パーティーの準備中に起きた事故。 母の気持ちを考えると、晶に出席して欲しくなかったとしても、晶はせめて線香だけはあげさせて欲しかった。 今日はまだ早いからお墓の方に行かせてもらおう… 晶は線香も花も持たずに、薫が眠る墓地へ行く。 そこは電車で二駅、そこから少し離れた場所にある。 いくら夏が日が長いからといって、晶が墓地に着いた時は、日が沈みかけていた。 セミの声が鳴り響く中、晶は薫の墓跡の前に来ると手を合わせる。 薫、ごめんな、今日も手ぶらで。 本当はさ、花とか線香とか持ってきたいんだけど、ここに俺がきてるってママさんにバレたら、ここにもこれなくなっちまうだろ? それだけは避けたいんだ。 そうしないと俺は、一体どこで薫に会えるんだよ…… 晶の頬に涙が伝う。 神谷先輩、俺たちの事忘れちゃってるけどさ、それって一時的なものだって、病院の先生言ってたし、先輩が薫の事忘れるなんてありえねーから、心配するなよ。 あとさ、学校で……… 晶は今日の出来事を、薫に報告する。 ただ単に、一人心の中でしゃべっているだけだが、晶には薫がその話を聞いてくれてるんじゃないかと思ったから。 ひとしきり話終わると、 「じゃあ、また来るから」 そう言って、また来た道を帰り、今度こそ自分の家に向かうのだった。

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