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第22話 嘘のキス ②

だめだ…… だめだ…… だめだ………… 晶の心は『だめだ』というが、身体がいうことを聞かない。 ゆっくりと晶が神谷の背中に腕を回すと、神谷は嬉しそうに微笑み、より舌を奥へと滑り込ませる。 嬉しいのか、 悲しいのか、 驚いたからなのか… 涙が止まらない。 やめてほしい… やめないでほしい… 心と身体がちぐはぐなことを、いいだす。 わからない、 わからない、 わからない‼︎ でも、 胸が苦しくなって、 切なくて…… 認めたくない、 認めたくないけど、 やっぱり俺は、 先輩の事が… 好きなんだ…… 神谷からの深いキスを受け入れてしまった晶の身体の力は抜けていき、 神谷のキスに溺れていく。 誰もいない、静かな部室には 神谷と晶の舌と舌が絡み合う音が、響く。 「……んっ……ん、ん……」 舌を絡めるたびに晶からは、甘い吐息が溢れ…… もう… ムリだ……… 晶は力がぬけきり、腰から倒れ込みそうになったのを、神谷が片手で支え、そしてまた、晶を抱きしめた。 「ごめん……。どうしても抑えられなかった…」 「…」 「嫌だったか?」 「聞かないで…ください…」 聞かれたら、本当の気持ち、 言ってしまいそうだから。 晶は神谷の胸をグーっと押し、体を離すと、 「先輩。マッ○行きませんか?」 さっきのキスを、気持ちを 自分の中でなかった事にするにかのように、晶は神谷に言った。

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