34 / 68
第37話 重なり合う ①
「…んっ……ん……はぁっ……っん……」
ベットで向かい合うよう晶と神谷は座わる。
そして神谷は晶の唇を、
口内を、むさぶるよくに舐め、舌を絡め取る。
息ができなくなった晶が唇を離そうとすると、それを阻止するかのように、神谷が晶の頭の後ろに回した掌で押さえこむ。
息ができないからか、
神谷の濃厚なキスが頭を痺れさせるからか、頭が真っ白になり、身体の力が抜け、
晶は全てを神谷に預けるかたちとなっていた。
気持ちいい…
先輩、好き……
好きです、先輩……
晶の口から気持ちが、溢れそうになる。
ダメだ。
言ってしまったら、後戻り出来なくなる。
でも、これ以上の後戻りってなんだ?
本当は戻りたくないんだろ?
俺は………。
晶は力を振り絞り、ぐっと神谷を押しのける。
「先…、輩……。好き…です…」
言ってしまった…
言ってしまった…
言いたかった言葉。
もういい、
後戻り出来なくても。
壊れてしまいたい…
俺の心も身体も…
ともだちにシェアしよう!