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第58話 決意
学校では相変わらず、晶と神谷と会うことはなく、学期末のテストを迎え、そして終業式となった。
そして、その日の夕方。
晶は震える手でスマホを持つと、神谷にLI○Eを打つ。
『先輩、ご無沙汰しています。
もし今日、先輩の予定がなければ会えないですか?』
機械的な文面。
偽物でも恋人同士であった時のような、以前のメールとはかけ離れている。
でも、今の晶にとっては、これが精一杯。
悲しいも、苦しいも、自己嫌悪も晶の中に居続けて、晶の心はもう何も感じなくなっていた。
そして神谷に会った時に話す内容を、晶は何度も何度も頭の中でシュミレーションした。
もしもの時のため用意した、あるものも持った。
あとは神谷からの返信を待つばかり。
すると、
『久しぶり。今、家に俺一人だから、俺ん家 で会わないか?ゆっくり話できるし。来る時、気をつけておいで』
先輩…
メールの文字だけでも、晶は愛しく感じてしまい、何度も何度も読み返す。
これが終わったら、このメールともさよならだ…
晶はメールの文字を、頭に焼き付けるように見続けた。
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