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第59話 別れ ①

晶は神谷の家へ行き部屋に通されると、唐突にある事を神谷に告げた。 「え……………?」 神谷は晶からの言葉が信じられないと、目を見開き…… 「なんでなんだよ‼︎」 神谷は悲しみの表情になり、そしてすぐ怒りに震える。 「別れてくださいって言ったんです…」 晶の冷たい声が静かに部屋に響く。 「だから、なんで⁉︎⁉︎意味わかんねー‼︎」 神谷は晶の両肩に掴みかかる。 「俺…好きな人がいるんです」 「!!!!誰だよそれ!!!!」 晶の両肩を掴む神谷の手に力が入る。 「俺、先輩が記憶を失う前から好きな人がいるんです。でも、その人、他に好きな人がいて、俺の方は見てくれないって知ってるんです」 ですよね、先輩。 「そいつと俺たちが別れるのと、どう関係があるんだよ‼︎」 神谷の怒りは収まらない。 「もう、辛いんです。先輩に嘘つくのが…。だから、終わりにしたい。それだけです」 「納得いかねー」 「先輩に納得いってもらおうとは思ってません」 晶の声はいつまでも冷たい。 「じゃあ…」 神谷が何か言いかける。 ごめんなさい、先輩。 俺、今から酷いこと言います。 先輩の好意を無駄にする、一言を… 「俺、先輩からお礼貰ってませんよね」 「え?」 神谷は晶の言葉に(きょ)をつかれる。 「そのお礼、今いただきたいんです」 「はぁ?」 神谷は眉間をよせ、怒りが爆発しそうだ。 「先輩からのお礼です。俺と別れてください」 「晶‼︎お前‼︎」 バンっと神谷が晶をベットに押し倒した。

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