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第26話 蓮とのデート ①

真司は蓮との待ち合わせの場所に、時間より10分ほど早くに着いた。 髪型が恥ずかしすぎて鏡で確認したいが、そんな事をしたら自意識過剰な人みたいで出来ない。 これはあまりにも痛すぎる… 蓮はなんていうだろう… 真司がそわそわしていると、蓮が改札から出てきた。 ‼︎‼︎ 蓮はスラックスのアンクルパンツに白T、上にジャケットを羽織り、ローファーを履いている。 蓮の側を通り過ぎる人々は、蓮をうっとりとした顔で見ていた。 真司も蓮のあまりのイケメン度合いに驚き言葉を失った。 改札を出た蓮は真司を探しているのか、辺りをキョロキョロと見渡している。 蓮、気づいてないのかな… 「蓮?」 真司は蓮の前に回り込み覗き込んだ。 「‼︎真…司?」 驚いたという風に蓮が真司を見つめる。 「髪…切った?」 驚いたまま、蓮は切ったばかりの真司の前髪を触った。 やっぱり…似合わないよな… 「髪、伸び過ぎてたから蓮と会う前に切っておこうと思って…やっぱり変だよな…」 真司は切ったばかりの髪を気にして隠そうとする。 「似合ってる!俺はよく似合ってると思うよ」 蓮がグイッと真司の方に近づく。 「よかった…蓮と初デートが嬉しみすぎて、気合入れてしまった…」 蓮に褒められて真司は顔を真っ赤にして俯いた。 「嬉しみすぎてって…」 蓮も真司から顔を背けたが、耳まで真っ赤なのは真司にもわかった。 蓮が照れるなんて、初めて見た。 可愛すぎる‼︎ 真司は胸の奥が、キュンとなるのを感じた。 真司は危うく抱きしめそうになったが、周りの人達が蓮の姿を頬を赤らめて見つめるのに気付き、我に戻る。 「蓮、お泊まりセット、探しに行こう」 「そうだな」 二人して赤面したまま、買い物にむかった。

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