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第27話 蓮とのデート ②

真司は今まで買い物デートは苦手だった。 一番困るのは、服を買いに行った時。 彼女の後ろをずっとついて歩く… 居心地が悪くて外で待っていると、同じように彼女に連れられて、買い物を付き合わされている彼氏達が真司と同じよう退屈そうに待っている。 そして、彼女が欲しいものを見つけ、 『どっちがいい?』と聞かれた時、素直に答えても、それが彼女の思っていた答えではないと微妙ない顔をされる。 かと言って答えないと、答えないと急かされる… よくあるパターンだが、本当に答えに困る。 そもそもインドア派の真司には毎回のデートで違うところに行く程のリサーチ力もなく… だが、今回は違う。 同じ目的のものを探しに行く。 しかも蓮とだ。 なんだか今の真司は、買い物デートもいいんじゃないかと思えるようになっていた。 買いに行く店が決まっていたわけではなかったので、二人で色々な店を見てまわった。 まず初めに蓮が買いに行きたがったのは、意外にマグカップ。 二人ともコーヒーが好きだからだそうだ。 蓮の家にはそれなりにカップはあったが、二人だけのカップが欲しかったようだった。 そのあとは、思いついた順に、歯ブラシやパジャマ、ついでにワイシャツも買っておいた。 はじめ、お会計は全部蓮が出そうとしていたが、真司はそれを何とか阻止して、妥協策として蓮は真司のものを、真司は蓮のものをプレゼントとして買う事にした。 いつもは冷静な蓮が、 『これはどう思う?』と聞いてくると、可愛く思え、真司が素直に答えると、嬉しそうにそちらを買う。 している事は、以前、彼女達にしていた事とほぼ同じだが、蓮のとの買い物は真司には全く違うように感じていた。

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