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第32話 蓮、激怒 ②
「真司…今、携帯隠したよね…」
「……いや…別に…」
動揺しすぎて、真司の声が出て裏返る。
「隠した‼︎」
怒った表情で蓮が真司の方へ向かってくる。
「‼︎隠してない‼︎何にもないって‼︎」
この真司の行動が蓮の怒りに触れた。
「じゃあ、見るよ‼︎」
「あ‼︎」
真司が携帯を取るより先に、蓮が真司の携帯を掴み取り、画面を見た。
蓮の表情がより一層怒りにかわり、動きが止まる。
「真司…これどういう事?」
蓮は携帯の画面を真司に見えるように突き出す。
「…これは…」
気まずさに真司は携帯から目を逸らす。
「なんで、こんなサイト見る?」
真司が逸らした目の前に、蓮は携帯をぐっと差し出す。
いつも冷静な蓮がこんなに怒っているのをみるのは、初めてだ。
ごまかさず、ちゃんと言おう…
そして、きちんと謝ろう…
「ごめん、蓮…それは…」
「謝るってことは、卑しいことがあるってこと?」
蓮の怒りがおさまらない。
「ち、違う‼︎…」
「じゃあ…」
「…蓮を…気持ちよくさせたくて…俺、男同士って蓮が初めてだし、その…他の経験も多くないから、よく分からなくて…」
「……」
「だから、色々調べて、蓮に気持ちよくなってほしいと思って…」
「そうだったんだ…」
「うん…黙ってて…ごめん…」
「……」
蓮は何も言わない。
やっぱり、怒ってる…
こんな男で、幻滅させたな…
「真司は、俺が気持ち良くなってないと思ってた?」
「…それは…」
「俺が、演技してると思ってた?」
「そんな事思ってない‼︎」
真司は慌てた。
「…真司には、いつも俺がどう感じてるか、知ってもらった方が良さそうだね…」
蓮は不敵な笑みを浮かべた。
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