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第105話 蓮の本当の思い ④
「男と付き合うってそう言う事なんだよ。楽しいことより諦めないといけない事が多くなる。俺は真司のこと好きになればなるほど、そんな風に真司にはなって欲しくないって思うようになって…でも、真司とは離れたくない…矛盾してるだろ。それでその気持ちを誤魔化すために、真司を避けるように仕事に没頭した。全然身に入ってないのにな」
蓮は何かを思い出すように、宙を見つめた。
「じゃあ、帰りが遅かったのも、俺を避けてたのもそのせいでなのか?」
「…そう…真司のお母さんと会う日が近づくにつれ、真司といたい気持ちと、真司と離れないといけないって気持ちが強くなって、どうすればいいのかわからなかった。だから俺は逃げたんだ…」
「…」
「真司が思ってた立花蓮と、本当の立花蓮は全然違うだろ…本当の俺は、自分に自信がないばっかりに逃げたり、自分可愛さに真司とも離れられないんだ…」
蓮は自嘲的に笑う。
蓮…なんでそんなに泣きそうな顔して笑うんだよ…
俺はそんな顔見たくて一緒にいるんじゃない…
俺は…
俺は…
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