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第107 真司の思い

真司はソファーに座る蓮の前に跪く。 「蓮、結婚しよう」 「!!!!!」 蓮は驚きのあまり、動きが止まる。 「……真司、言ってる意味わかってる?」 蓮はまだ真司の発言が信じられないと目を見開いている。 「わかってる。だから、お願いだよ、蓮。俺と結婚してください」 真司は蓮の手を取り、しっかりと握った。 「真司…男同士は結婚できないよ…」 蓮の目から涙が溢れる。 でも、先ほどまでの悲しそうな表情ではなく、嬉しそうな表情だった。 「前から色々調べてたんだ。知らない事だらけだったから…結婚届は出せないけど、パートナーシップ証明書、申請しに行こう…もし蓮が良ければだけど…」 お願いだ… うんと言ってくれ… 「…うん。申請しに行こう」 全て吹っ切れたように、満面の笑みで蓮がうなずき、そんな蓮を真司がきつく抱きしめた。

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