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第115話 仲間
そんな時、日々を過ごしているとき
「佐々木、実は相談があってな…」
真司は昼休憩に入る前、野宮に呼び止められた。
野宮からの相談なんて珍しい。
よっぽどの事があったんだろうな。
「どうした?」
「ここではちょっと…だから、仕事帰り一緒に飲みに行ってくれないか?」
野宮は辺りを見回し小声になる。
「それは勿論いいけど…俺に、しかもこんな急に相談って、そんなにやばいのか?」
「やばくはないけど、大事な事かな…あ、店は俺が決めていいか?ちょっと落ち着いた所で話したくて」
「ああ。野宮、本当に大丈夫かか?なんなら、今すぐ場所変えて聞くけど」
いつも冷静な野宮がここまで言うってことになると、相当な事なんだろう。
「それが…」
野宮が何か言いかけた時、
「野宮くん、ちょっと…」
上司に野宮が呼ばれた。
「佐々木、悪いけどそう言う事なんで、よろしくな」
そう言って、野宮は上司の元へかけていった。
「……って言うことがあって、今日は帰りが遅くなると思う」
真司は電話で蓮に先程の野宮との経緯を説明した。
『そうなんだ。野宮さんからの相談なんて珍しいね……真司、実は俺もさっき林さんから相談したい事があるって言われたから、仕事帰り飲みながら話し聞こうかと思って、真司に連絡しようと思ってたんだよ』
「え?蓮も?重なることもあるんだな」
『本当にな…また家に帰る時、連絡する』
「俺も連絡するよ」
そう言って二人は電話を切った。
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