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タダオ7cm(57才)

SだとかMだとかを気にする人もいるが、オレはそんなことはどうでもいい。 オレは自分自身が尺りたいから尺っている。 オレに尺られてる、のでも。 オレに尺らせてる、のでも。 竿が思いたいように思えばいい。 今日の現場は六本木。 ホテルは業界の人間なら誰でも知ってる有名フェティッシュホテル。 指定された部屋に向かう。 オレを迎えいれたのはロマンスグレーといえば格好はつくが、有り体に言えば枯れた雰囲気をまとう小太りの男。 事前の写真よりもグレーが進んでいる。 ままあることだ。 生地だけは高そうなダブルのスーツをだらしなく着ている。 部屋に入るなりタバコをくわえて部屋の誂えを眺める。 両手両足を拘束しXに磔にする台。 無意味に鎮座する洋式便器。 残念ながらオレの尺八には一切必要がない。 「いつでもいいですよ、シャワーさえ済ませれば」 オレの身にまとわりつく紫煙が目に沁みる。 「待ってくれ、支度にそれなりに時間がかかる」 そそくさとバスルームに消える男。 防水レザーとみえる部屋の雰囲気にそぐわないアームチェアに腰をおろし男を待つ。 二本目のタバコを吸い終わるころにバスルームから出てきた男の様相が一変していた。 きゅっきゅっと音が鳴りそうなPVCの漆黒のプレイスーツに身体をぎゅうぎゅうに押し込んでいる。 その気はないが突ついたら弾けそうだ。 一見、中小企業の社長のように見えた面影はなく、不出来な六本木のマスクオブゾロといった風情。 「やってもらおうか」 ふうふうと荒い息をつきながら男が股間のファスナーを下ろす。 しわしわの包皮が先っちょまで皺を作る竿がでろんと出てきた。 両足を肩幅に開き男が腰を突き出す。 流れるような動きでオレは男の前に跪く。 皮ごとクチにふくむ。 むふぅと声は漏れるが竿の反応が悪い。 おそらく永年の深酒が祟っているのだろう。 そのままくちゅくちゅとクチの中で転がす。 だんだんと竿に血が入っていく。 「お、お、キミ、言葉、言葉責めは好きか?お、お」 男がマスクの下の目をギョロリと回す。 竿からクチを離しにべもなく答える。 「好きになさってください」 実際にオレにはどうでもいいことだ。 すぐさま竿をふくみなおす。 せっかく血が入ってきたのに萎んでしまわれてはかなわない。 男が満足気につぶやく。 「そうだ、上手だぞ、そのまま勃てていくんだ」 言われなくともそのつもりだ。 亀頭をメインに小刻みにストローク。 敢えて唾液の音を激しくたてる。 チュプチュプチュプチュプチュプ。 「まったく、とんだスケベだ、こんなになってガッつきやがって」 男がヘラヘラと言うがストロークが効いてるのだろう、膝がぷるぷるしはじめる。 男の竿の包皮をずるっと剥きおろす。 余り皮を根元でしっかりグリップして固定。 カリの段差を執拗に往復。 ようやく七分勃ち。 それでも6cm。 「そんなに美味いか、これが、ん?脇目も振らずに銜えこみやがって」 尺ってるときに余計なことを言うほどオレは暇じゃない。 このサイズなら丸呑みできる。 一気に根本まで飲み込むディープストローク。 「おほっ、おっ、おっ、そ、そうだ、やれば…できる…じゃないか」 息も絶え絶えに男が言う。 「うっ、出るぞっ、お前の…スケベなクチにっ…うっ」 放出の喜びを前にしても男の竿はオレのクチを弄るほどもない。 機械的にフルストローク。 カポカポカポカポ。 「ほぉあっ」 放出。 じんわりとクチに流れる精。 少しさらさら。 オレのクチで暴れたりはせず、舌の上にとろりと流れ出る。 立ち上がり、便器の蓋を開き男の精を吐き出す。 水栓レバーを降ろすとゴバァという水の音。 「そういうことで」 振り向きもせず部屋を後にする。 あれだけ汗だくになるとプレイスーツを脱ぐには苦労するだろう。 ひなびた竿をぶらぶらさせながら張り付いたPVCを剥がすのに難儀するに違いないが、介助はオレの仕事ではない。 地下鉄の駅に向かう。 この街の住人は昔とは様変わりした。 一見してヤバそうな外人よりも、泡銭を抱えたオノボリのほうがタチが悪い。 ジャマイカンのラムでも飲んで帰るか。 どうせそこらの酒屋でも買えるメジャー品だろうが。

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