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ケント16cm(21才)

オレは尺八を仕事にしている。 趣味と実益を兼ねていると言えば調子よく聞こえると思うが、仕事である以上は顧客との取引にすぎず自分の願望を全面に押し出すわけにもいかない。 相手の竿が大きかろうが小さかろうが、剥けてよう剥けてなかろうが、形がよかろうが不細工だろうが、尺ると決めた竿は尺る。 それでもたまに、コイツはクチいっぱいに頬張りたいと思わせる竿に出会うのが巡り会いの不思議なのだろう。 久しぶりに若い客からの依頼。 21才。183cm、78kg。 日に焼けた少年のようなあどけない顔。 オレに依頼するのだから、見かけからは想像できない屈折したなにかを持ってるのだろうが考えても仕方がない。 会えばわかる。 普段はあまり寄り付くことのない赤羽。 指定されたのはチェーン系のビジネスホテル。 部屋番号を確かめチャイムを鳴らす。 出迎えたのは写真で見た顔だが、全体の体つきがなんとも言えない圧力を醸し出す。 Tシャツにハーフパンツというざっくりした装いが全身の筋肉の存在を包み隠さず匂わせる。 部屋に入る。 床に無造作におかれたダッフルバッグ。 誰でも知ってる有名校のエンブレム。 室内に微かに汗の臭いが漂ってる気がするのは考えすぎというものだろう。 「いま、シャワーしますから!はい!」 何も言わず男が服を脱ぐのを眺める。 「これ!どうっすか!」 パンイチになった男が満面の笑みで問う。 undiesというやつか。 ギリギリの布地できわどくブーメラン型になったパンツの竿の部分だけが袋状になっている。 たっぷりとした量感は男の竿がすでにふっくらしているからというだけではないだろう。 見るだけでわかるくらいに相当立派な竿だ。 袋の中でみちみちになっている様はまるで下手くそが作ったいなり寿司。 「流行りのことはよくわからんのでね」 吐き捨ててタバコをくわえる。 気勢を削がれた男がパンツを脱ぎながらバスルームに消える。 一糸まとわぬ男がシャワーを済ませてベッドにあがる。 「よろしくお願いしまっす!」 横たわる男に跨がり見下ろす。 すでに本勃ち。 目測16cm。 顔と二の腕から下は日に焼けてチョコ色だがそれ以外は真っ白。 濃いピンクの竿がその真ん中でぴくぴくと脈を打っている。 鍛え上げられたシックスパックが竿をへそまで引き上げているのだろう。 右手を竿にあてがい皮をそっと剥いてやる。 皮の内側はすでにたっぷりと澪した先汁でヌルヌル。 せっかくの先汁だ。 舌先をくるくると亀頭にまとわりつかせて汁をまんべんなく擦りつける。 オレの唾液とあわさり部屋の照明に照らされテッカテカ。 この段階でオレの腰の奥がじんじんと疼き始める。 だが、このサイズをいきなりガッついて頬張っても最後まで保たない。 まずは亀頭を入念に舐めあげる。 舌の根本に近い広い面を使ってべろべろべろべろと音がするようにねぶりたおす。 「それ!たまんないっす!」 悶絶する男。 しつこく舐め回すと亀頭はパンパンに膨れ上がり竿に血管が浮き出る。 ピンク色だった亀にさらに赤みが差して溢れる血流を巡らす。 舌を裏筋に添わせたまま亀頭を頬張る。 クチいっぱいを占める感触がオレの股間に火を灯す。 あもあもと亀頭を頬張る。 う!う!と身を捩る男。 オレのクチに馴染むまではもはもと頬張る。 が、ここで暴発させるわけにはいかない。 裏筋と腹側を交互にねぶる。 激しく前後するオレの動きはまるでアスリートのトレーニング。 竿の根元を甘噛み。 竿全体が本勃ちで石のように固くなっている。 こちらの準備が整ったところで竿を真ん中まで飲み込む。 ようやくオレのストロークに包まれた男が歓喜の呻きを漏らす。 亀頭の先から竿の中程までずりおろすようにストローク。 ぶちゅんっぶちゅんっと一発一発を重く振り下ろす。 おおおおおおおおお、と男が呆けた声を出す。 オレの首の後ろがじんじんと痺れるような疼きを感じている。 腰の奥がわななく。 ピッチは変えずに根元近くまで深く飲み込む。 重く振り下ろされずりおろされる刺激とずるうぅぅと引き摺りあげる刺激が交互に男の竿をせめたてる。 「出します!出します!だしますだしますだしますだします」 男のSOSに呼応してストロークのピッチを速める。 これだけの大きな竿をこれだけの深さと速さでストロークするのは性別を問わず難しいにちがいない。 男もこれまでに経験したことがないであろう激しい刺激が竿を襲う。 あ! 獣の雄叫び。 吐き出された精。 ドドっと重く二発。 ドロッと重い精が喉奥を撃つ。 治まらない吐精。 たっぷり大さじ一杯ほどの精を断続的に打ち続けた。 ティッシュを広げてだらりとその上に精を澪す。 コンデンスミルクの固さとカスタードの色の濃さ。 オレの股ぐらが熱い。 放心したように両手で顔を覆いつくしながら男がぶつぶつと譫言をこぼす。 「こんな…こんなのされたら…」 心地よい疲労感。 このアドレナリンが切れないうちに引き返そう。 まだ陽が高い。 一杯やってから帰るという気分でもない。 駅に向かう道すがらの飲み屋はすでに営業を始めているし客も詰めかけている。 まあいい。 家にはビールだけはたんまりと冷やしてある。 オレの渇きを癒すのはそれに任せよう。

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