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ワガママ王子と悪戯猫(17)

夕食とその片付けを終えて、風呂を沸かした。 支度ができた者から順に入る。 最後に俺が出てくると、ソファに寝転がった悠さんに馬乗りになって、幸くんが肘でぐりぐりと腰をマッサージしていた。 その足元には創くんが座って、そこにあった音楽雑誌を読んでいる。 「幸、あんがと。もういいぜ。だいぶ楽になった」 「そ?」 悠さんが、ソファを降りた幸くんの頭をくしゃりと撫でた。 「さて、布団敷くかー」 悠さんはのそりと立ち上がる。 「お布団ですか?どこに敷くんです?」 そういえば今日、この四人で、どうやって寝るんだろう。 ベッドは足りないし……。 「このセンターテーブルをダイニングに寄せれば、ちょっと広めにスペースとれるだろ?ここに無理やりだけど布団四枚敷く。ちょっと狭いけど何とかなるだろ」 「合宿だよ!」 幸くんは楽しそうだ。 「寝る順番も決めたよ。ソファ側から、幸、悠、俺、颯人さん、で寝る」 創くんが指さしながら言う。 「よし、お前ら布団取ってこい!」 「「いえっさー!」」 なんせ冬のことだから、布団と一口に言っても量が多い。 敷布団はともかくとして、掛け布団に、ありったけの毛布と羽毛布団を引っ張り出してきた。 布団を敷き終わったところで、俺の携帯が何かメッセージを受信しているのに気が付いた。 『一時に俺の部屋集合』 タイミングよく創くんと幸くんが歯を磨きに洗面所に行ったので、こっそり悠さんの手を引いた。 「寝るなよ?優しくしてやるってさっき言ったろ?」 「え、悠さんの部屋で何するんですか」 「愚問!」 悠さんは一言だけ言って笑って、素早くキスをした。 熱くなった頬を冷ましていると、双子が戻ってくる。 「もう寝る?」 「寝ろ」 「うえーい」 幸くんは早速布団に寝転ぶ。 「せっかく四枚敷いたんだからな。くっつかないでちゃんと一人で寝ろよ」 「うーん……頑張るけど無理だと思う」 「じゃあ、最初からソファ側にくっついて寝ろ。そうすりゃ多少寝相悪くても俺のとこまでは来ないだろ」 悠さんは手と足を使って、可哀想に幸くんを布団の端っこに詰め込んだ。 悠さんは普通に布団の真ん中に戻る。 「んー!」 幸くんが両手足をぐん、と伸ばすと弾かれたようにころころころ、と転がって悠さんにぶつかって止まった。 示し合わせたように創くんも寝返りをうって、二人一緒に悠さんを挟む。 「やめろ、潰れる!お前らもうガキじゃねぇんだから手加減しろ!図体ばっかりでかくなりやがって、頭の中身は小学生のままじゃねぇか!」 男兄弟ってこんな感じなのか。楽しそうだな。 前にも、悠さんと三人でお風呂入ろうとしたとか言ってたし、昔からさぞかし賑やかだったんだろう。

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