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ワガママ王子と悪戯猫(21)

悠は乱暴なほどの勢いで俺の頭を抱き寄せると、噛みつくようなキスをくれた。 濡れた唇に歯が当たり、その僅かな、痛みとも言えない刺激が腹の底を切なくする。 いつもは優しい悠の閨での所作が、今は荒々しい。 そうさせたのは俺自身なのに、その荒さが鼓動をますます速く大きくさせた。 「んっ、う……ぅは、悠、もっとっ、もっと欲しいっ」 息継ぎをするように瞬間、離れた唇を追いかけて、俺は自ら悠の胸にしがみついて更にキスを奪った。 本能に突き動かされるままに舌をしゃぶると、同様に欲望にまみれた悠が唇を使っていささか激しい愛撫で答えた。 「颯人、なあ、もっかい指舐めて」 しばらくして、再び唇が離れたので貪欲に追いかけようとした俺を、唇に指を触れて悠が止めた。 嫌も応もなく俺は無言でその指に舌を這わせ、口内でなぶる。 一本だった指が知らず知らずのうちに二本に増え、最後は三本まとめて銜え込んで舌と唾液を絡めていた。 満足そうな顔で悠が眺める中、ちゅっ、と音を立てて俺の口許から指が離れる。 代わりに与えられたのは熟れた果実のような熱く甘いキスだ。それと――。 「んんっ……」 剥き出しだった後孔に、濡れた指が押し込まれた。 「あれ。おい颯人、めっちゃ指入るぞ」 からかうように悠が言う。 言われるだろうな、と予想はしていたけれど、実際に言われると頬が熱くなる。 「だって……その……」 「うん?だって、何だよ?」 ちょっと意地悪な目をして悠が俺の目を覗き込む。 同時にゆっくり、スローに俺の中を探った。 「ご飯の時に……っ、あの、ん、悠が、言ったからぁっ」 「俺?何か言ったっけ?」 「んぅっ、ゃ、そこぉっ、ゃあっ」 「俺、何て言ってた?忘れちゃったな。思い出させてよ。……あ、これも忘れてたけど、下にあいつら居るんだった。小さい声でこっそり頼むぜ」 ますます意地悪な目をして悠が囁く。 小さい声で、って言いながら、自由自在に動く指が俺の中で暴れて……いや、暴れるような勢いで、その実的確に俺のイイトコロをえぐってくる。 「は、ぁぁぁっ、そこ触っちゃ、駄、目ですぅっ」 強すぎる刺激に我を忘れて、思わず言葉遣いが元に戻る。 「あーあ。颯人『バツ』一つな。『バツ』三つでとっておきのおしおきするぞ。悠さん、とかももちろん言っちゃ駄目だからな」 悠さん、いや、悠が、けけけと笑う。

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