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ワガママ王子と悪戯猫(22)

「で?俺が飯の時になんて言ったって?」 右手の指で俺の前立腺をくるくると撫でるように刺激しながら、悠が聞く。 「ん、んんぅ、ん」 俺の口からはだらしない喘ぎ声しか出なくて、問いに答える余裕なんてない。 階下の創くんらに聞こえないよう、声量は何とか抑えているけど、後はもう悠にしがみついて、されるがまま。 「頑張れ、颯人、あとちょっとだ」 悠が無責任に煽る。 俺の中を愛撫していた指が、疲れたのか動きが鈍くなった。 その隙にすかさず深呼吸して体勢を整える。 今のうちだ、言ってしまえ、俺。 「夕飯の時に、悠が、あとで優し……っぅうう」 意地悪悠が、俺が喋ってる最中に前立腺をぎゅっと押して、俺は快楽に身悶える。 馬鹿。ゆうのばか。 もうやだ。 なんで俺だけひーひー言ってるの? 仕返しだ。 もう、言いたいことは悠に伝わっただろう。伝わったはずだ。 そしたらどうする? 二人一緒に気持ちよくならなきゃ。 悠だって勃ててるじゃん。そのままじゃ辛いでしょ? 気持ちよくなろうよ、ね?悠? ◇ ◇ ◇ 悠をその気にさせるのは、実は簡単だ。 俺の体勢を立て直し、まず準備として、キスをする。 その瞳を覗き込むようにしながら、ゆっくり悠を引き寄せて、俺のペースでキスをする。 ポイントは瞳を見つめること。視線を離さないこと。 ついでに微笑んであげてもいい。 効果があがる。 悠の視線を掴まえたら、衣類を脱がす。 必要最低限で充分だ。 今回はとりあえず部屋着のパンツをずらして、下着越しにでも性器に触れられるようにする。 瞳を見つめたまま、もどかしいほどにゆっくり、優しく刺激する。 あぁ、今日はもうおちたみたいだ。 悠の目の色が変わって、俺を見つめたまま抱き上げてベッドに座らせた。 「悠?」 「も、無理。限界。早く、早くさ、颯人をもっと感じたい」 ベッドの上に押し倒されて、キスをする。 悠は性急に衣類を脱ぎ捨てて、俺の寝間着は胸までたくしあげて、俺にのしかかった。 「なあ颯人、たぶん今俺、颯人の手のひらの上で転がされてるんだろうけど、それでもいい。颯人、好き。愛してる。颯人は俺のことどう思ってんの?」 あれ。結局、言わされるの? それが恥ずかしいからこんなに回りくどいことをしてるのに。 仕方ないなあ。 「世界で一番愛してる」 俺自身よりも、悠が好き。 そう言うと、肋が折れそうなくらい力強く抱きしめられた。

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