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第25話
「え?…なんで?あんた何者?」
「九良斗学園。理事長。九良斗賢也」
「え?」
出された名刺を受け取ると確かにその名があった
「こんなに若いのに?」
「元々この学園は曽祖父が始めたんだ。父は他の仕事をしている。俺は祖父が引退したあとから任されているんだ。こんな見た目だけど結構な年なんだよ」
へへへっと悪戯に笑う男…賢也さん。その笑顔がたまらなくかっこよかった
「まだ若造だと周りに言われるのも嫌だから表立って動くのは相変わらず祖父なんだけどね。俺は学園に相応しい子どもたちを自らこの足でまわって見極めて話をしているんだよ」
「でもあんた…」
「ん?」
「バスケしてたでしょ?じゃなきゃあんなすごいことできない」
「あぁ…うん…まあね。」
「あんだけ出来るんならプロとか目指せたんじゃないの?」
「…確かにそんな話しは来たよ。けどね俺は諦めたんだ…合宿に行って気がついた。俺なんて他の人と比べたらまだまだだってね。あの頃は諦めも早くて最後までやり抜くという力はなかったんだ。今思えば馬鹿だなって思うけどね。そこでさ」
「ん?」
「俺の夢を君に託したい…」
「は?」
「君を利用させてくれない?」
そんな言い方をされるとは思わなかったのでなんだか楽しくなった
「あははっ!!あんた面白いね!わかった。いいよ」
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