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第29話
俺も琉もよくメディアや雑誌を賑わしていたからか最近ではさざなみの子どもたちは羨ましがられるようになっててあんなにも多くあったいじめも今はほとんどないらしい。
お陰で学校に通えない子供は少なくなっていた。
保護者が金を払ってでもここに入れたいと言う人もいたくらいだ。
勿論お母さんはそんな金は受け取らないしそんな子供は預からない。けど問題にならないようしっかり話をしてトラブルなんておこったこともない
久しぶりに足を運んださざなみを見つめる
すっかりボロボロになった場所は俺が必ずプロになって修復するんだって決めてる。
「あ!オン兄ちゃん!」
「よぉ。絆。縁。元気にしてたか?」
こいつらは生まれたての頃に日にちは違えど同時期にこの門の前に捨てられていた二人だ。
昔からとてもいい子で可愛い。
この子達になかなか引き取り手がないのはどうしてなのか。
…いや。…引き取り手がないわけじゃない
見た目がいいからなのか明らかにどこか邪な目をした男たちがよくやってくるのだ。タイミングが悪いことにそいつらがいるときに限って二人をという話が来るのだ。
一緒に生活できるのかを見るため数日間一緒に過ごす期間を設けるからその手続きをしているタイミングでそいつらが現れて周りを牽制してきてそれに恐れて結局話が立ち消えるのは一度や二度どころじゃない
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