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第75話

それから更に数日がたった。その日男はどこかに出掛けていて女と二人だった。 女は世間から美しいと言われている顔を歪ませて朝から俺を殴り蹴り続けた 「お前はいらない子!お前がいるからあの人はもうここには来ないっていったのよ!!あんたのせいよ!!」 今思えばあのとき女は振られでもしたのだろう。 「お前さえいなければ!お前さえいなければ!!」 殴られ続け意識は遠のき次に気付いたときはさざなみの門の前。 「お前はいらない子。だからもう戻ってきたらだめだよ」 そう言って女は立ち去った。 今思えばさざなみではなく他に捨てる場所なんて沢山あったはず。わざわざこんなに遠くまで連れてきたのはもしかすると女の愛情だったのかもしれない。 けれど捨てられた事実も酷い扱いを受けていた事実も何も変えられやしないのだ。

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