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第76話
俺は大人の女が苦手になった。そして大人の男には男に教えられたように裸で強請るようになった
「僕の体を使ってください。気持ちよくなってください」
と足を開き尻を突き出しフリフリと誘いながら。
それを見た職員たちは愕然とし、泣いてただ抱きしめてくれた。俺がどんな扱いを受けてきたのか悟ったのだろう
始めはそんなことしなくていいんだよって言われる理由がわからなくて戸惑った。暖かいご飯も寝るところも与えてくれるみんなに何かお礼をしたいだけなのに。どうすれば喜んでもらえるのかな?それが全く検討つかなかったのだ
職員たちは根気よく俺と会話をしてくれた
始めは職員の女性たちが怖くて仕方なかった。それでもみんなはじっと耐え待っていてくれた。時間をかけてここは安全だって教えてくれた。そんなことしなくていいんだと伝え続けてくれた
みんなのお陰で俺は子供らしく戻ることができたし笑えるようになった
ここにきて、人は大切にするものだって教えてもらえた。
困った人がいたら手を差し伸べることが強さなんだって思わせてくれた。
俺はいらない子なんかじゃない。
大切にされ守り守られる存在だって信じさせてくれた…
だから俺はみんなに声をかけたし一緒に遊ぼうと誘うことができた。
体はその頃から大きかったからみんなを守りたいと俺が守らなくてはとそう思いながら動けるようになった。
今の俺を作ってくれたのは間違いなくさざなみのみんなだ。
あの女じゃない。だから今更何だと思うし女には嫌悪感しかない。
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