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第87話
「俺の家寄れる?今賢也さんたちいないから二人になるけど」
「それは構わないよ。いいの?お邪魔しちゃって」
「いいよ」
「わかった」
そして家につれて帰り俺の部屋に通した。うちに天を招いたことを賢也さんに連絡したらゆっくり話してと返事が来た。
「飲み物とか取ってくるからそこ座ってて」
ソファーに促すと戸惑いながらも座ってくれた
それからお菓子とお茶を持って戻り向かい側に座った。
話があるというのは口実で本当は二人きりになりたかっただけ。
触れたい…その邪な思いを悟られないよう必死だ
「ねぇ。理苑」
「ん?」
「お話ってなぁに?」
正直に話してしまったほうがいいだろうか?少し悩んで…けど俺は上手く嘘はつけない。だから
「…お前と…二人になりたかった…それだけ。ごめん。」
「えぇ?そうなの?何?どうした?琉に会いたくなっちゃった?俺は琉みたく上品には振舞えないよ」
「違う。お前といたかった。」
そう言ってテーブルを挟んだ反対側からそっと天の髪をなでた
「ふえっ?」
「髪さらさらだなぁ」
「そっ…そう?」
「俺は髪硬いから羨ましい」
「静電気とか最悪だよぉ?」
「あはっ!ちょっとみたいかも…」
立ち上がって机の引き出しに入ってた下敷きを取り出してゴシゴシとして髪に近づける。
すぐに下敷きを離したけどまだふわふわと踊ってる。その姿が何だか可愛かった
「ぶふっ…本当だ」
「んもう!やめてよ!」
「お前さぁ。モテたろ?」
「俺?」
「何人くらいと付き合ってきた?」
「えと…8?かな?」
「すごいな。」
「そう?理苑は…」
「俺は誰かと付き合ったことないしまぁ色々もないな。」
「えぇ?モテそうなのに」
「…ずっと好きなやつがいたんだよね」
そういうと天は俯き少し困った顔をした。そして、意を決したように顔を上げる
「琉のことでしょ?」
「…何で…?」
「…だって…理苑に聞いたもん」
「は?会ったの初めてでしょ?」
「そうだね。この姿では初めてだね」
「どういうこと?」
「信じてもらえるかわかんないけど…ソラ覚えてる?園にいた青い瞳のネコちゃん」
「覚えてる。忘れるわけ無い…俺は…ソラに救ってもらったから」
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