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第88話
「ソラに琉のこと話したでしょ?」
唯一俺が秘密を打ち明けたのがソラだ、
「…話した」
「その時ソラの中に俺の意識があったの」
「どういうこと?」
「…俺ね琉と離れてからずっとおかしくて…藍さんと藍さんの双子の蓮さんとお祖母ちゃんに心配されていたんだ。俺ね、数日間目を覚まさないときが何度もあったらしいの。その時俺の意識はいつも琉の隣にあった」
「それって…」
「生霊?みたいなものなのかな?琉に会いたくて会いたくて…そう考えてたら琉の隣に行くことができたんだ。その時決まって俺自身の体は眠っていたらしいよ」
そんな不思議なことがあるのか?でも天はデマカセを言っているようではなかった。
「理苑が打ち明けてくれたときね、すごく琉が羨ましかったのと同時にそれまで付き合っていた子たちに俺は…とても不誠実だったんだと…気づかせてくれた。俺は取り敢えず告白されたら付き合ってみるんだけど結局相手のことを思ってやれなかったんだよね。口ではどんなに愛を囁いていても…何度体を重ねても…そんでいつもうまくいかなくなる。あの日から俺は…なんとなく付き合ってみることやめたんだ。ちゃんと理解して付き合おうって…本当に自分が好きだと思える人と時を過ごそうって…そう思わせてくれたのが理苑だった。まぁ…結局さ…そんな人と出会えなかったんだけど」
「じゃあ…あのとき俺を助けたのは…お前?」
「ううん。俺じゃない。ソラだよ。だってソラが体を貸してくれなきゃ俺はあそこにいられなかったし、ソラが理苑を助けたかったから俺を呼んでくれたんだし。ソラはね、さざなみのみんなが大好きだったよ。ソラの中にいるとねその感情がブワーって俺の中にも入ってくるの。俺はさ毎日ソラの中にいるわけじゃないでしょ?でも琉に聞いたけど毎日琉に寄り添いながらみんなを見守っていたでしょ?俺が中にいなくたってそれは変わらなかったはずだよ」
確かにどんなときも琉に寄り添っていたし子どもたちの相手をしていた。
ソラに救われた子供もとても多い。
笑えなかった子が笑えるようになったり気性の荒い子を穏やかにしてくれたり泣いている子を慰めたり…他にもたくさんの子の、心を救ってきた
ソラは俺達にとっては何者にも変えがたい大好きな家族だったんだ
「ソラが死んでしまったことは俺は知らなかった…あれ以来どんなに思ってもそこに俺はいけなくなったんだ…俺は…ちゃんとお礼も言えてないんだ」
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